2011年10月11日

★市の経営戦略を立案する専門部署の設置を。

経営戦略立案部署の設置を
まずはじめに、昨年清瀬市は市政40周年を迎え、今年からはいよいよ50周年へ向け、渋谷新市長のもと、より住みやすいまち、より快適なまち構築へ第4次行財政改革を策定し、新たなスタートを開始しました。

とは言え、今社会は日本のみならず国際的にも混迷を深めています。80年代のバブル崩壊後、失われた10年、失われた20年が続き、さらにリーマン・ショックが追い打ちをかけ、史上最高値の円高も重なり、日本経済は最悪の状態になっています。さらに、高齢化率が23%を超え、生産者人口は減り続けます。経済成長を前提にして制度設計されている医療費・社会福祉費の支出額の伸びが止まらない現実。返済できるあてもないまま、借り続けている借金は、国・地方合わせて960兆円を超し、1000兆円に迫ろうとしています。

今回策定された第4次行財政改革は、こうした日本の最悪の状況を冷静に分析し、その中での市政経営のあるべき道を提示した素晴らしいプランだと思います。

このプランをより実りあるものにしていくために、私は専門部署、例えば「経営企画室」「経営戦略室」の設立を要望致します。

この部署では、第4次行財政改革の進行管理を担い、また自主事業や企業誘致といった新たな財源を模索する経営戦略の企画推進を担う、そしてまた「きよせ」という行政ブランドの確立へセールスプロモーション戦略を立てるなど、いわば戦略的コンサルティング業務を担う専門部署となります。

言うまでもなく、昭和62年に始まり第3次までを経たこれまでの行財政改革では、様々な取り組みの結果、大きな成果を生み、内外から大変に高い評価を得て参りました。これらの改革では、事務事業の整理・合理化、職員の削減、給与の適正化、民間委託の推進等、いわば無駄な贅肉をそぎ落とすための大変に辛い改革でした。しかし第4次大綱では、職員のスキルアップや行政評価、民間活力との連携や市民との協働の基盤づくり、そして財源確保のための方策など、より高いところに目標を定めた洗練された内容になっており、やればやるほど筋力がアップする、実戦に即したプラニングだと思います。

こうした素晴らしいプランを絵に描いた餅にしないために、より着実に進行管理できる環境設定をお願い致します。

何よりこの部署は、後に述べる広報戦略までといった広い守備範囲を担う部署です。その意味では、市のトップである市長にとっての参謀役を担うことを意図します。ある時は頭脳であり、右腕であり、ある時は武器である。藩政改革を成したことで有名な上杉鷹山は内村鑑三が「代表的日本人」で紹介し、ケネディ大統領も尊敬をする、我が国の行政改革に成功した代表的な政治のリーダーの一人であります。しかし、見落とされがちですが、上杉鷹山には竹俣当綱(たけまた・まさつな)という名参謀がいました。彼はいわば行政側のリーダーとして、上杉鷹山の改革を確実に遂行しました。私の言う経営戦略専門部署は、こうした役割を担う部署として期待を致します。

そのためにも、庁内の若き有望な人材をそのスタッフに迎え、市政50周年のその時には、名実共に清瀬市を担うであろう明日のリーダーを中心に組織する部署であることも期待致します。是非、ご検討をお願い致します。

【回答/中澤副市長】
新たな経営戦略室の設置や戦略的な広報展開をご提案頂きました。

基本的には私共も同じ考えを持っています。第四次行財政改革大綱には、企画部門を強化すべきだということと、行革推進プロジェクトチームの設置がうたわれておりまして、現在企画部門につきましては組織の見直しを検討していますので、その中で経営戦略室の設置も再検討をして頂こうと思っています。行革のプロジェクトチームにつきましては既に新人から課長を含め31人もの職員が自主的に手を挙げて頂き議論に入っている所でございます。これは行革の進行管理と人材育成の自主計画と合わせて市長に提言をして頂こうと考えています。

その他に行革の大綱には「観光立市」ということがうたわれています。先日開催されました「ひまわりフェスティバル」終了後、農ある風景を守る会の皆さんが市長のところに来られ、フェスティバルには37,000人の方々を来られたという話から、今後はただひまわりを観てお帰り頂くのではなく、周辺に花を植えておいてそれを帰りに摘んで買って帰って頂いてはどうかというご提案を頂きました。これはとても良い案で実施に向け検討して頂いているところです。例えばこのようにご来場頂いた4万人の方がお一人500円使って頂くと2千万円の経済効果が生まれることになりますので素晴らしいことだと思います。

またコミュニティプラザ・ひまわりの利用者が増えてきています。ここでも朝市的なことができないかと市長から指示があり、農業委員会や商工会の方とご相談をしています。ここでは市内の農産物や特産品など様々な商品を販売し、それによって清瀬をPRし清瀬経済の活性化につなげていこうと考えています。

そしてひまわりフェスティバル開催の際、またコミュニティプラザ・ひまわりにご来場頂いた際などでも、この周辺には飲食店がないという声があります。そこでコミュニティプラザ・ひまわりに入っている社会福祉施設どんぐりさんやわかばさんにちょっとした軽食を出して頂けないかご検討頂いています。それができればあの周辺でのゆっくりして頂けるのではないかと思います。

このように観光資源というのは、「柳瀬川回廊」にしても「けやきロードの彫刻ギャラリー」にしても清瀬にはある訳です。これらを経営戦略的に清瀬PRのために考えていこうと思っています。議員の提案の「経営戦略室」とは名称は異なるかもしれませんが、是非そうした観点で企画部門を強化したり人材育成も含めて、検討して参ります。

【再質問】
今では清瀬名物となった「ひまわりフェスティバル」は4万人の来場者、今年は雨のため37,000人だったそうですけれども、「きよせ祭り」も市の内外から大勢の方々が来られることと思います。

このように清瀬には様々なイベントが開催されています。そのひとつひとつに色をつけて、そしてひとつひとつを繋げていくことが大事であろうと思います。これまでのイベントはそれぞれが単発で行われ、次のイベントと繋がっていくことがなかった。例えば「ひまわりフェスティバル」であれば、ひまわりを観に来て“ああひまわりがキレイだったな”で終わってしまう。そうではなく、ご来場者に「ひまわりフェスティバル」のパンフレットだけでなく、清瀬をPRするチラシやパンフレットをつけたり、また次に行われるイベントのチラシも付けて差し上げれば、ひまわりをネタに市外の方に清瀬のこともアピールできる。このようにひとつの切り口から広げていくということが大事だろうと思いますので、「戦略的思考」で様々にご検討頂ければと思います。

経営戦略室については、行財政改革をしっかりと責任をもってやっていく部署はどこなのかということを明確にしていくことが大事な事です。

もうひとつは、広報戦略をしっかりやって頂く。市としてしっかりとしてた広報戦略があり、その戦略に基づいて市から発するすべての広報物がある。市報にしろホームページにしろ防災無線にしろ、発するところはひとつで練られた戦略の中でブランドイメージの統一を図っていく。これを是非お願い致します。前回議会においてご提案させて頂き取り上げて頂いた「ツイッター」も今はひまわりフェスティバルのひまわり成長期や放射線測定値をツイートして頂いていますが、これからはけやきホールの催し案内であるとか些細なことでも結構ですので市に関係するものはどんどんツイートして頂ければと思います。市民はとても楽しみにしています。
※これは要望としましたので答弁はありません。

【解説】経営戦略室については、民間企業であれば当然設置していますし、行政においてもお隣東久留米市にもあります。清瀬市はそうした部門はないものの、企画部がその任にあたっています。また庁内のプロジェクトチームで長中期の行財政改革案を作り上げ、その進行管理も担っています。私はその素晴らしい行財政改革の進行管理を担い、またそれ以外にも今後の市の方向性を市長の参謀役となって推進するセクションは、企画課・秘書広報課・財政課からなる企画部とは別にあるべきだと思います。なぜなら、企画部には企画部の所管事業がありますし、それが手薄になっては困ります。特に広報セクションはそれだけ別でも良いくらいです。また責任の所在が明確になる、そして市民にとってそのセクションがあることによって、そうした事業がある、つまり市もちゃんと考えているのだなと分かることができます。

つまらない例えですが、買い物に行って並んでいる商品を見てこれはいい!!と衝動買いするのではなく、ちゃんと計画を立てて買い物をする、つまり計画的戦略的に予算を使っていくということです。決して清瀬がそうだということではなく、そうした計画戦略があるということを明確に示していくための専門部署の設立という意味です。


Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | シティデザイン・その他