2011年12月09日
★地域ブランドの創出を
にんじんの健康促進効果をアピールせよ
言うまでもなく清瀬は“農業”がその基幹産業であり、特に「にんじん」は都内出荷量の半分近くを締める、清瀬の特産品のひとつであります。清瀬商工会のホームページによれば、2009年度からは、ベータカロチンの豊富な「ベータキャロット」という新品種の「にんじん」を清瀬の新しいブランドに育てようと取り組みはじめたと書かれています。また「にんじん」を利用した「にんじんジャム」や「にんじんジュース」「にんじん焼酎」なども開発をされ、市内各所で販売されています。
とは言え、そうした清瀬「にんじん」の存在は市内では大きく喧伝され知られていても、市外の方々にはまだまだ知られておらず、「清瀬にんじん」ブランドが確立されていない、特に「にんじんジャム」や「にんじん焼酎」などの加工品は、清瀬の産業振興の牽引商品とはなっていないのが現状です。
ここで私は「清瀬にんじん」を使った加工品が清瀬の産業振興のヒット商品となるための方策を考えて見ました。マーケティングの基本として、顧客ニーズを掴む、広い市場を確保する、大量に生産し単価を下げる等がありますが、今回は顧客ニーズを掴むの側面から考察致します。高齢社会の現在、人々の健康志向は高く、なおかつ震災後は放射能問題もあり、健康促進の切り口は顧客ニーズの意味からも大変に重要であります。ということで、ここでいかに「にんじん」が健康促進に有効か、簡単に「にんじん」の栄養価からその健康促進効果についておさらいをしてみます。
■まず「にんじん」といえば、β(ベータ)カロチンですが、βカロチンは抗酸化作用があり、体の老化を防ぐ効果があります。さまざまな疾病は体の酸化が原因ともいわれていますので抗酸化作用をもつ「にんじん」はその予防にもつながり、若さを保つ事にもつながります。また、ベータカロチンが、悪玉コレステロールを減少させる事で、血中脂質を正常にし、動脈硬化や心筋梗塞などの予防にもなります。■そして「にんじん」にはα(アルファ)カロチンも多く、βカロチンと同様、抗ガン作用が期待できます。■βカロチンは、体内で必要な分だけがビタミンAに変わる特徴があります。このビタミンAは、ウイルスへの防護壁的な役割を果たす肌や粘膜を健全な状態にする事で、ウイルスの進入を予防したりして、免疫力を強化する働きがあります。またビタミンAは、DNAの遺伝子制御や細胞分裂に関わっており、特に胎児には必要な栄養素で、妊娠初期や授乳期には必須な栄養素です。しかもビタミンA単体では過剰摂取の心配がありますがにんじんから摂取した場合は、その心配が低下します。■続いて、カリウムは体の外にナトリウムを出す働きがあり、これによって血圧を下げる酵素が増えます。このため、カリウムを取ると減塩効果も高まって高血圧の予防・改善に効果があります。■「にんじん」にはペクチンという食物繊維が多く含まれおり、整腸を促し便秘解消にも効果的で、大腸ガンの予防にもつながります。
このように「にんじん」は、健康促進の代表的な野菜とも言え、この「にんじん」を特産とする清瀬市民は都内のどこの市民よりも健康で長生きでなければなりません。その意味で、こうした「にんじん」のもつ効能をもっとアピールし、健康促進の角度から「清瀬にんじん」の「ジャム」や「ジュース」をセールスしていくことが重要であると考えます。
商品価値を高め、マーケットを拡げるために
そこでもうひとつ健康促進「清瀬にんじん」をブランディングする上での私の提案は、かねて私が申し上げていますEM菌で「にんじん」を育てよということです。
EM菌もまた昨今のバイオテクノロジーが見直される中有用微生物群として、健康促進・疾病予防効果が謳われており、2007年現在、EMは世界55ヶ国で製造され、約150ヶ国に技術情報が伝わり、15ヶ国で国家プロジェクトとして取り組まれています。清瀬においても、市内の農家50件からなる「きよせ施設園芸研究会」は、ほうれんそうや小松菜など、土壌消毒剤を使わずに連作障害を防げないか、EM菌と他の資材との比較実験を始めたとも聞いています。
EM菌の効果はこのような土壌改良の他に健康促進効果も期待されており、その効果はひとことで言えば、「にんじん」同様抗酸化作用です。同じく抗酸化効果をもつEM菌と「にんじん」が相乗効果を発揮することで、健康促進効果をより強くアピールする商品となります。作り方もただ畑にEM菌を散布するだけ、もしくはEM菌の使われた堆肥を使用するだけですし、EM菌それ自体も自己培養でき非常に安価です。
ここで重要なことは、EM菌はマーケットが広いということです。全国にEM菌愛好者は数十万人いるとも言われ、なおかつそうした愛好者たちはEM菌で作った作物を心待ちにしている、顧客ニーズも高いのです。それらの方々にとってEMで作ったにんじんジャムや、ジュース、果ては焼酎などは、望まれた商品と言えると思います。
そしてもしこれがヒット商品となった暁には、商品のパッケージなどの軽作業が創出でき、仕事が無い方や生活弱者の方々に仕事を提供することもできます。地域でヒット商品を作ることは、地域雇用創出の意味でも大変重要な課題であると思います。
EMお新香で市民を元気に
また、高齢者の多い清瀬として私が特に作っていきたいと思っているのは、「清瀬EMお新香」です。EM菌は微生物ですので、その相性としては漬物として使われるがベストマッチです。EM畑で作られた野菜をEM菌のブレンドされたぬか床でどんどんお新香にしてしまう。それを清瀬の高齢者の方々にお茶うけとして沢山お召し上がり頂き、どんどん健康になって頂くのです。結果、市の医療費負担も軽減できれば言うことなしです。この「清瀬EMお新香」は、市内の老人会にも御協力いただき、商品化する以前にまずは各ご家庭で手作りし、日常的に食べて頂ければと思っています。
沖縄の方々がウコンで健康であるように、清瀬の私達もEM野菜で健康だと言われるようになることが私の夢です。
こうしたEM菌を使った清瀬農産物ブランドを農家の方々、また民間のEM菌愛好家の方々に御協力頂きながら作っていく一助として市も御協力頂きたいと思います。
【答弁/五十嵐市民生活部長】
EM菌を使った地域ブランドの創出についてご質問をいただきました。
本市のにんじんの出荷量は東京都内で1番であり、野菜として販売するだけでなく、にんじんを原料にして農業、商業の振興を図るため、にんじん焼酎やにんじんジャムなど、加工品の製造もしてきております。
議員ご指摘のとおり、にんじんは栄養価が高く、健康促進効果が期待できるちのです。このにんじんについて、平成20年6月、清瀬市農産物ブランド化検討委員会において、清瀬市独自の「ベータキャロット」の商品化が図られてきたところです。
EM菌を使った地域ブランドの剔出についてですが、現在、市内の酪農家の方が、EM菌を使用し牛舎等に散布して消臭を行っており、効果が出ているとの話を間いております。また、市民団体がEM菌などを使った植物の育成や堆肥作りを行なっております。
また、JA東京みらいの農業団体である施設園芸研究会の小松菜部会が、本年6月より、市内酪農家のEM牛フン堆肥を使用し、土壌消毒剤を使用した畑とEM活性液を使用した畑の小松菜の連作障害の調査、検証を3年間の予定で行なっているところでございます。
これらの状況や結果を見まして、今後、EM菌等を使った、にんじんの商品化につきましても期待されるところでございます。
また、提案いただきました漬物などにつきましては、農協などの直売会に話していきたいと考えております。また、にんじん等のパッケージングなどの軽作業への雇用についてですが、本市おける農業は家族によります、個人経営の比較的小規模な農業でありますので、パッケージングなどの軽作業への人を雇う農業経営については、現状では難しいのではないかと考えられます。
ベーターキャロットは、清瀬の産業振興に大きく貢献する商品になると思われますので、これからもPRに努めていきたいと考えております。
【再質問】
EM菌については、9月議会でその効果を確かめるとして、8小のトイレの消臭実験をされるとの答弁があったが、どうなったか?
【再答弁/海老沢教育部長】
8小のトイレでの消臭実験では、一部の方から臭いがなくなったとの声が寄せられている。
【解説】
地域振興としての地域ブランドは、市内だけしか流通しないのでは意味がありません。つまり収益が税収に貢献しないということです。市外にも広くヒットしてこそ、税収も上がり、場合によっては軽作業などでの雇用も生まれます。やはりヒットを目指させなければならないのです。当事者の方々はそんなことは百も承知で、そんなに簡単にヒットするなら苦労はしないというところが実情です。
マーケットが狭いから大量に売れない。大量に売れないから大量に作れない。大量に作れないから単価が高い。単価が高いから売れない―悪循環です。
そこで全国に数十万人いるであろうEM愛好者向けの商品開発を提案しました。またお新香も高齢者の多い清瀬ならではのもので、健康にも寄与し医療費削減にも期待が持てます。
EMの効果については、もちろん賛否両論あることは承知をしています。しかしこれに行政が税金を投入するのは難しいですが、民間の力を借りて協力してくださいという提案です。ましてや、費用も安価ですむものです。今後に期待します。
Posted by takosuzuki
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