2012年02月02日
●明治薬科大・江口准教授の「放射能について」セミナー開催されました。

1月28日(土)、明治薬科大学の江口准教授による「放射能について」セミナーが開催されました。これは昨年の12月議会にて私も提案していましたので、楽しみに伺いました。
★放射能相談窓口の設置を求む/明治薬科大の専門教授の放射能セミナーを(※2011年12月定例議会にて)。
そもそも、今回の原発事故による放射能対策に関して、清瀬市は近隣市をリードする取り組みをしてきました。空気中の放射線測定に始まり、ホットスポットの特定および除染、給食食材の放射線測定等、これらの取り組みはすべて明治薬科大学あればこそ実現できたものです。
それぞれについてはもちろん不足な点があることも事実ですが、市の職員が素人ながら勉強しつつやっているというよりは、そうした取り組みの背後に大学の専門家の監修があり指導を頂きながら実施しているということに、市民にとっての大きな安心があります。
その意味で、是非その指導監修をして下さっている先生のセミナーを実施し、その方の指導性が市民に分かるとより大きな安心になるということで、今回の提案をしました。
さて今回のセミナー、江口准教授ですが、率直な感想としては、大変良いセミナーであり私としては大満足でした。以前に東京大学医学部附属病院放射線科「チーム中川」の中川准教授のセミナーも参加しましたが、参加者を安心させようとの思いがおありだったのだと思いますが、大丈夫であるということを強調されるあまり逆に不安も大きかった印象があります(大きなセミナーだったので個別の質疑にあまり時間がとれなかったことも大きいです)。それと比較すると、不安を煽(あお)る訳でなく、かと言って全く心配ないを強調するでなく、学者らしく事実を淡々と述べられ、安心な点と気をつける点とのメリハリの付いたものでした。
また「放射能と放射線の違い」と言った初歩的なことから、放射性物質それぞれ「ストロンチウム90」「ヨウ素131」「セシウム134・137」「プルトニウム239」等それぞれの特性や半減期、これらについての見解など、専門的なことも分り易く説明をされていました。
何よりこの江口先生は、2000年前後のダイオキシン問題の当時からここ清瀬にあってその問題にあたられていたそうで、清瀬のロケーションは熟知されています。その方の持つ放射能対策なだけにより信頼感が生まれます。そうしたことを踏まえ、清瀬においては空気中の放射線濃度はほぼ0.05前後で安定しており、またホットスポットでの問題も含め外部被曝の心配はない。むしろ気をつけるとすれば、食べ物による内部被曝であるとも仰(おっしゃ)られていました。
関連して、給食食材測定について明薬大の所有する測定器の測定下限値が高いことに関しては、確かに満足のいく結果は望めない。なので近い将来、下限値の低いつまりもっと性能の良い測定器を入手予定であるとの心強いお言葉もありました。
セミナーの中で嬉しかったのは、空気中の測定に労力を使うよりは、今後は市民の個別の要請を受けて測定に出向いたり、場合によっては除染(土を持ち帰るなど)をしたほうが良いとのアドバイスです。これは私の12月議会での提案と全く同じでした。是非、今回立ち上がった「放射能対策本部」で取り組んで頂きたいと思います。
しかしながら、せっかくのこうした良いセミナーだったにも関わらず、参加者は少なく、会場の半分近くは空席でした。これは市民の関心が低いと見られても仕方ありませんし、逆に言えば一部の人しか問題意識をもっていないと見られることが残念です。かねて私は申し上げていますが、市民の声を結集し、パワーとして行政にぶつけていく、動かしていくことが大事です。POWER OF THE PEOPLEです。こうしたセミナーもそうした市民の声に応えて開催されたものでした。会場が一杯になるほど市民が集まり、放射能問題に対する行政のプライオリティを高めるチャンスだったのです。もちろん、行政の宣伝の方法も問題はあるでしょう(ただこの開催は各校でも通知されましたので従来よりも拡大した宣伝でした)。ですが、行政を糾弾するだけではなく、こうした前向きな取り組みには私達もそれ相応に応えていくべきだったと、放射能問題に関わる議員として強く反省しました。
Posted by takosuzuki
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