2013年05月13日

★「知性溢れる街・清瀬」としてシティセールスを

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シティセールスの重要性
清瀬市では、「農ある風景」をキャッチコピーとして、緑豊かな自然と都市農業に象徴されるまちづくりを基本に、清瀬を市外にPRしてきました。それ以前は、病院のまちとしてのイメージが定着しており、そのイメージは揺るがずに今日に至っております。

都市としてのイメージは、大変に重要です。都市のイメージや知名度を高めることにより、人や企業に住んでみたい、ビジネスをしたいと思われ、ひいては都市の活性化が図られます。そのためには、清瀬市が持つさまざまな魅力、観光資源、文化、都市基盤等を、市内外に効果的・戦略的に発信していこうというのがシティセールスです。

「農ある風景」以外のキャッチコピーは?
その意味では、現在定着している病院のまち、または「農ある風景」、つまり畑が広がり病院が点在するまち、白衣の人と病人と農家の方々の行き交うまちという現在のイメージを、これまでとは違ったイメージの創出ができる新たなキャッチコピーのもと、よりすてきなまちとしてセールスをしてはどうかとのご提案です。

言うまでもなく、キャッチコピーはシティセールスの根本的なコンセプトになるものです。このコンセプトを、清瀬市のよさを再検証しながら、リニューアルすべきだと思うのです。病院や農業、これらは清瀬市を構成する大変重要な要素であることは論をまちませんし、これを否定するつもりは毛頭ありません。しかし、清瀬市をPRし説明する言葉が、病院と農業だけでは寂しいし、事実、もっと多くの清瀬市のよさがあることは、渋谷市長が就任以来、実に多くの誇るべき清瀬市のすばらしいところを紹介してくださっているとおりです。

インテリジェンスのある街
そうした中でも、私が新たな清瀬市の特徴としてつけ加えたいのは、「知」、すなわちインテリジェンスのまちとしての側面です。清瀬市の特異性は、病院や農業が盛んというだけでなく、それらに共通し底流に流れるのはインテリジェンスだと思うのです。

清瀬の「知」−病院・農業・大学・研究施設
病院は、病を治すための最も高い知性が要求される組織であるのは言うまでもありません。農業に関しても、清瀬市では施設園芸研究会を初めとして、さまざまに健やかな農産物の生育へ研究を重ねておられることを伺いました。そして、もちろん三つの大学、医療系の二つと福祉の東大といわれる社会事業大学。あわせて、日本が世界に誇る一大ゼネコン大林組技術研究所。また、世界に冠たるスーパーコンピュータを擁し、それを操り分析をする集団、気象衛星センター。また、梅園にある労働安全衛生総合研究所は、労働災害の原因究明を中心に労働環境の健康と安全を図ることを目的とした独立行政法人、いわば国家施設です。複十字病院の結核研究所も、再三、市長がお話をされていますように、結核治療の高度研究をする国際的にもトップクラスの研究施設であり、院長の工藤先生は、呼吸器の世界では天皇と呼ばれているほどの方だと市長に教えていただきました。

労働安全衛生センター
梅園にある労働安全衛生センター

このように、いわば日本のトップクラスの知性が毎日この清瀬市という小さなまちに集結しているのです。大学や病院、または研究施設などのあるまちは、ほかにもたくさんあることでしょう。しかし、清瀬市は、人口が7万4,000人で面積も10.19キロ平米という小さなまちであることを考えれば大変なことです。

もちろん、これは昼間人口と言われる市外から仕事や勉強のために流入してく人たちですので、ある意味では清瀬市とは無関係、ただ単に仕事場や学校のある場所だけとも言えるでしょう。しかし、この方々が少しずつでも清瀬市のまちづくりにご参加いただければ、それによって清瀬市の持つ魅力というポテンシャルは格段に上がるだろうと思います。

大林組技術研究所
建築や環境技術では世界トップクラスの大林組技術研究所

知性と農業とのコラボレーション、例えば、明治薬科大学にご協力をいただいての健康効果の高い野菜づくり、薬草づくり。看護大学校にご協力をいただいての出張健康診断や健康相談。大林組技術研究所や気象衛星センターなどの施設にご協力をいただいての市民講座、これは公共施設の空き部屋対策にもなろうかと思います。

機関としてシティ・セールスに取り組む
このように、市内のインテリジェンス機関への協力要請、または連絡調整を行う機関、ひいては市のイメージアップを図り、シティセールスを担う機関の創設も必要かと思います。現状、我が市のシティセールスは、市長お1人にお任せをしています。市長が市内のさまざまな機関に出向き、取材をし、それを特徴づけ、そしてそれを市内各地の集まりにて発信していただいている。こうしたことを、ぜひ市の機関に業務としてお願いしたいと思うのです。以前に私は、経営企画室、経営戦略室の創設をご提案しましたが、まさにこうしたことを所管する部署として、企画広報課を強化していただくということもご提案いたします。ご所見をお伺いいたします。
【答弁/番場清隆企画部長】
シティセールスは、渋谷市長が進めるまちづくりにおきまして、今後、必要不可欠な課題であり、テーマであると思います。市長の所信表明にもありましたように、清瀬市の誇れる歴史や文化、自然、そして人や施設の価値を再認識し、まちの活力と発展の原動力にしていくエコツーリズムの発想によるまちづくりを行っていくためには、清瀬市の魅力をPRするシティセールスが大変重要となります。

これまで、清瀬市といえば病院のまちという負のイメージも、今では世界を結核の蔓延から守っている結核研究所がある清瀬というように、プラスのイメージにつなげていくこと、また、鈴木議員ご提案のインテリジェンスのまちというような新たなイメージを、効果的・戦略的に発信していくことで、清瀬市のイメージや知名度が高まっていくものと思っております。

清瀬市は、小さなまちではありますが、市内には多くの他に誇れる歴史や文化、自然、そして人や施設がございます。市長が清瀬市のセールスマンとして、清瀬市の持つ魅力を多くの場所でPRし、市民の皆さん一人一人が、我らがまち清瀬市に誇りが持てるようなまちづくりを進めたいと申し上げておりますとおり、市民の皆さんが誇りの持てるまちを目指して、今後、シティセールスを推進してまいりたいと考えております。

また、近年、他市において、シティセールス推進を担当する組織が立ち上がっている例もございますことから、そうした他市の組織についても研究してまいりたいと考えております。
【再質問】
誰も知らない清瀬の知力
要するに、市民が誇りを持てるようなにするにはどうしたら良いかということなんです。先日、ある若い奥さんたちとのタウンミーティングの中で、半数の方々が市外から転入してこられた方、残り半数は市内に生まれ育った方、当然、市外から来た人は、特段に清瀬市に愛着や関心があって引っ越して来られた訳ではなく、たまたまいい物件があったので引っ越して来られたそうです。それで、「清瀬のイメージ、どうでした」と聞くと、「特に持っていない」か、または「えらい田舎に来ちゃった」とか、「土ぼこりがひどい」とか、そういうことしかおっしゃらないんですよ。そこで私は、「実は清瀬というのは、こんなにすばらしい大学やら研究施設があって、すごく知的な分野の会社や施設の多い街なんですよ」と申し上げました。このように、清瀬=「病院や農」以外の角度からも、ぜひアピールしてもらいたいというのが今回の私の提案です。

「これがキヨセ・ナレッジだ」
とは言え私も初めは知らなかった訳で、やはり渋谷市長から様々な話をお聞きし、なるほどなと思うわけです。市長が、今回、複十字病院に行かれて、インドネシアの保健省の局長の話を教えて下さいました。その局長は複十字病院・結核研究所で結核治療の研修を受け、その後インドネシアに戻られて治療を始める時に、「私が持っているこれは清瀬ナレッジだ」、「清瀬の知識だ」と言われたそうです。このように「清瀬」というワードが国際的になっているほどに、この清瀬市のインテリジェンスの発信が高いということを、もっとアピールしてよいのではないかと思います。

複十字病院
世界各国から医師や研究者が研修に集まる

キヨセ発の健康情報誌を
せっかく昼間、それほどすばらしい方々が清瀬に来ているのに、そうした方々をうまく生かし切れていないんじゃないかなと思います。今、別のテーマで、小山健康福祉部長からご答弁頂きますが、「健康」というテーマで見ると、“健康大学”など、とてもうまくにコラボできている面もあるんです。そこをもう一方踏み込んで、例えば市報のほかに「Ms.スクエア」みたいな女性誌を清瀬市はつくっていますけれども、健康をテーマにした情報誌があってもいいんじゃないかなと思っています。そうした情報誌ができたら、私は、市長対談コーナーという企画を作りますね。例えば、今月は渋谷金太郎市長と工藤翔二院長対談、呼吸器対談とかね、呼吸器対談って、変な対談ですけれども。それから、織本病院の高木由利理事長とか、また、きよせの森総合病院の武谷典子副理事長、両方ともとてもきれいな理事長、副理事長なんですけれども、そういう方々ともぜひ対談記事がばんと載ったりすると、これも一つ、清瀬市のアピール側面としてはすごくいいのではないかなというふうに思います。

キヨセの知を生かした清瀬野菜の売り出し方
そういう意味で、私が申し上げました、明治薬科大学とコラボレーションして、農家の方々と新たな健康によい野菜づくりのようなことも是非ご検討頂きたいと思います。私、この間、菜の花の種をまいたんですけれども、全部枯らしてしまいました。植物と言っても、種をまいて水をあげれば生えてくるというものじゃないんです。気候を見、土を見、種を見、様々見た上で育てていくということから考えれば、農家の方々ほどインテリジェンスが高い方々はいないんじゃないかなというふうにも思います。

その意味では、私はもしそういうことが実現できるなら、明治薬科大学とコラボレーションで清瀬野菜をつくり、いわゆる、今、最近はやっているのは、清瀬産野菜で「私がつくりました」と顔写真があるみたいな、ああいうのはありますけれども、そうじゃなくて、「このニンジンはこういう栄養効果があり、私のところでとれたニンジンはベータカロチンがほかのところよりも高いんです」とか、そういう何か栄養価が書かれるような、それが一つ、清瀬スタイルの野菜の売り方として定着すると、なるほど病院のまち清瀬らしい野菜の売り方になっていくんじゃないかなと思ったりもするんです。

コミプラで野菜の屋内栽培を
それからまた、別な意味では、コミュニケーションプラザにちょっと空きがあるんですけれども、ああいうところを利用して、屋内栽培ができるような水耕栽培、かつてパソナという大手町に本社がある人材派遣会社が、もともとあそこは銀行の跡を借り受けて本社にしたパソナなんですけれども、そこに大きい地下金庫があるんですよ。見せてもらいましたけれども、その地下金庫が、もう一面、田んぼというか、稲を栽培しているんですね、屋内栽培で。水のみでお米をつくるというふうになっていて、だから屋内栽培、つまり水耕栽培という研究も、かなり今、進んでいますよね。そういったことを、コミュニティプラザを使ってできないかとか、そういうこともやはり清瀬市の持っている知性と清瀬市とのコラボレーションのあり方じゃないかなというふうに思うんです。

そういう意味では、コミュニティプラザの空き教室を使って、シリコンバレーのように若手のIT、プログラミングの人たちを入れてつくるような、つまり、工場をぼんぼん建てて収益を、みたいなことではなくて、もういわゆる頭で稼ぐ人たちを育成していくようなこともできないかなと思ったりもします。

スマートタウン・キヨセ
そういうふうに、昼間の人たちが、ある種、いっぱい頭のいい人たちが来るんですね。私は、やはりこれはスマートシティ、スマートタウン−−スマートというのは、スマートフォンといいますけれども、頭がいいとか賢いとかという意味で使われますけれども、スマートタウンというふうに、もっとどんどん標榜していってもらいたいなと思うんです。

なぜ清瀬にスターバックスがあるのか?
そういう意味では、スターバックスというコーヒー会社が清瀬駅前にありまして、スターバックスというのは、どこの流通チェーンもそうですけれども、ちゃんとマーケティングをして出店するんですね。スターバックスというのは、割と都会に出すんですよ。普通、イメージどおりでいえば、清瀬市なんかに出ないんですよ、本当は。いや、考えてみたら、東久留米駅もないんですよ。ひばりヶ丘駅もないし。所沢駅は、もちろんしようがない、ありますけれども、秋津駅もないし、新秋津駅もないんですよ。大泉学園駅はありますけれども、保谷駅もないし。そう考えると、清瀬の駅前にスタバがあるというのは、これも不思議な話で、インターネットの配信番組でイグザンプラーというのがあって、その中の日本地域査定という都会度をはかる基準として、地域内にスタバがあるかどうかというのがあるんですけれども、清瀬市などは、だからスタバがあるから都会度が高いわけですよ。そういうふうに、スターバックスは、ちゃんと出店しても、そういう人たちが来ているところだから、いわゆる都会的な人たちが来ているから、ちゃんともうかるだろうと思っているわけですね。

スターバックス
清瀬にあるのが不思議なくらいのスターバックス

そういう意味では、私は、清瀬市というのは、そういう人たちを見越した店舗展開というのも少ない気がするんです、ちょっと外れちゃいますけれども、産業振興の意味では。いわゆるお酒を飲むようなところも、そういう人たちが昼間、清瀬市で仕事をして帰っていくときに、ちょっとおしゃれなところで飲みたいなと思っても、居酒屋みたいなものしかないとか、やはりそういう人たちを糾合するような、何か清瀬で癒やして帰ってもらえるようなところがもうちょっとふえてもいいような気もするんですけれども、これは今回の全然テーマじゃないので、あったらいいなと思います。

清瀬で働く知的ビジネスの方々をネット市民に
今回、福岡市がネット上のカワイイ区というのをつくりましたけれども、あれも一つのシティセールスのあり方かなと思うんです。だから、清瀬市もそういうふうにスマートタウン・シチズンみたいな、仮想市民登録みたいな、これに倣って、もし昼間来てくれるような、そういう人たちをぜひ市民登録してもらって、今言ったような市民大学とか、さまざまな連携を図っていただけるようなことができれば、またおもしろいと思いますし、こういうことも、ぜひまた皆様方の一つのサジェスチョンになればというふうに思います。

Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | シティプロモーション