2013年05月13日

★病院の街にふさわしい健康推進の充実を

病院の街にふさわしい医療充実の街へ

今回、一貫して申し上げています、清瀬市の特徴の筆頭はもちろん、病院のまちです。その「病院のまち清瀬」が、いかに市民の健康に力を入れ、市民の生命を守っているのか、大事な観点だと思います。それが大きくはシティセールスにもつながってくることと思います。その意味で、今回、私は、市民の健康と生命を守るため、病院のまちにふさわしい健康推進の充実と強化をご提案いたします。

胃がん検診には血液による検査−ABC検査を

まず初めに、健康にとってもっと恐ろしい病気の一つはがんです。言うまでもなく、がんは、我が国の死因の3割を占め、1981年以降ずっと死亡原因の一因となっています。これほど科学技術の進歩した現代にあっても、いまだその特効薬は見つからず、罹患率、死亡率ともに年々上昇し続けているのです。その治療には、早期の発見と治療が求められ、現在、さまざまな検診によって、それぞれに功を奏しています。しかし、最近の傾向として、できてしまったがんをいかに早く発見するかではなく、がんになりやすい体質を発見する、もしくはその体質を改善するためのリスク検診が盛んになっています。子宮頸がんワクチンも、がんになりにくくするためのワクチン接種であり、また、胃がんにおけるヘリコバクターピロリ菌検査も、がんになりやすいピロリ菌がいるかどうかを診るためのものです。そうした意味では、胃がん検診にはぜひ、呼気によるものやABC検査など血液検査によるピロリ菌検査も検診項目に入れていただき、市民の皆さんが少しでもがんになりやすい体質というリスクから脱していただけるよう、ご検討をお願いいたします。

がん検診には腫瘍マーカー検査を

また、早期発見という観点では、がんに対してより心配な方向けに、腫瘍マーカーによるがん検診も要望があれば受けられるようにしてはいかがでしょうか。もちろん、実費費用負担はかかるとしても、ふだんのがん検診にこうした検査項目があると、より安心であろうかと思います。

市をあげて禁煙奨励を

がんになりやすいリスクからの脱却という点では、最もそのリスクを高めてしまうのが喫煙です。喫煙は、がんのみならず、あらゆる健康被害を誘発するおそれのあるものです。先般、きょうもそうですが、中国のPM2.5なる物質の健康被害が取りざたされております。PM2.5とは、たばこの煙も同様であることが研究者の間では指摘をされています。「中国から流れてくるPM2.5を恐れてマスクをして外出する喫煙者」という笑えないジョークもあるほどです。病院のまちである我が市は、どこよりも禁煙に取り組むべきですし、清瀬市の東京病院や複十字病院、いずれもそもそもは呼吸器系の専門病院です。また、先ほど申し上げました呼吸器界における天皇である複十字病院の工藤翔二院長は、COPD、いわゆる慢性閉塞性肺疾患の大家であります。この疾患は、喫煙などが原因で発症し、呼吸機能が低下していく病気です。いわば、陸にいながら溺れる状態という恐ろしい病でもあります。こうした先生を擁する清瀬市なればこそ、健康のためにどこよりも禁煙に向け力を入れていくべきであろうと思います。

健康教育の推進

いずれにしても、ふだんは暴飲暴食、飲酒、喫煙など健康に頓着しない生活をしながら、一たび病にかかっておびえ暮らすというのはいただけません。その意味では、ふだんから健康的な生活習慣を心がけ、病気になりにくい体をつくっていくことが肝心です。そのためには、いかに健康がすばらしいか、健康的な生活習慣とはどういうものか、しっかりと学習していく必要があると思います。そうしたことを大人も子どももしっかり学んでいく健康教育の推進も、ぜひお願いをいたします。

【答弁/小山利臣健康福祉部長】
議員ご提案の腫瘍マーカーでございますが、調べてみますと、現在、進行したがんの変化を把握するのに使われているのが現状で、早期診断に使えるという意味で確立されたものは、残念ながらまだ少ないようでございます。

しかし、前立腺がんの診断に使われておりますPSA検査につきましては、前立腺から血液に分泌される物質の量を調べることで、早期の前立腺がんの診断が可能と言われており、市では平成18年度から、市の健康診査と同時に50歳以上の男性希望者に実施しております。また、国のがん検診のあり方に対する検討会において、胃がんにおけるピロリ菌の除菌の有効性についてなど、国内外のデータなどを収集し、科学的根拠のあるがん検診の方法などについて検討を行っており、市としましてもその動向を注視し、今後のがん対策を進めていきたいと考えております。

議員からご紹介のありましたCOPDでございますが、平成25年度から始まります国の健康施策である健康日本21(第2次)でも、今後、死亡原因として急速に増加し、その対策が重点課題としております。この病気は、喫煙が最大の発症要因であるため、禁煙により予防可能であるとともに、早期発見が重要であることから、この病気の認知度をさらに高めることも国の目標としております。

市では、新年度より毎月、市報で健康に関するコラムを、清瀬市医師会や歯科医師会などに協力をいただき、掲載することになっております。その中で、複十字病院の工藤先生には、COPDについて寄稿いただく予定となっております。また、平成25年度の健康大学の講演会でもCOPDをテーマに取り上げますので、喫煙の影響などを改めて多くの皆さんに学んでいただきたいと考えております。

議員ご提案のとおり、病院のまちのイメージにふさわしい市民の健康づくりは、私ども行政の立場でも、大きな使命であると認識しております。現在、病院のまちの特徴を生かした健康づくりの一つとなっておりますのが、平成13年度から実施してきております健康大学であると思っております。発足当時から、清瀬市医師会の先生方からも、健康意識の高い市民になっていただきたいという熱い思い、ご意見をいただきながら、現在までさまざまなテーマの講演をいただいてきております。市としましても、このような形で引き続き医師会や歯科医師会など医療機関や大学と連携し、協力をいただきながら、市民の健康づくりを推進していきたいと考えております。

【再質問】
検診率のアップで医療費の削減を

各種診断については、やはり健診率が上がれば、病気になる前に対策ができるわけですから、当然、医者にかからなくて済みます。やはりそういう健診率が上がって未然に病気を防ぐことができれば、医療費の削減もしていけるということだと思うんですが、例えば血液だけでピロリ菌がいるかどうかわかるというようなのも、ある種、画期的ですよね。バリウムを飲まなきゃいけないとかということになると、やはり大変だし、またちょっと被ばくを気にするような方だと、レントゲン検査は嫌だという方もいらっしゃるでしょうし。

血液検査でガンの有無が分かる

腫瘍マーカーについても、ある民間の健康保険組合なんかの健診項目にあったりするんですね。普通の定期健康診断で、腫瘍マーカー検査もある。それで、腫瘍マーカーの数値がある数値以上になると、体の中のどこかにあるかもしれないので、精密検査を受けたらどうですかというようなご案内をしていただけるというようなこともあるというふうに聞いています。

ですから、もちろんこれは自費でというか、本当に健康に対して気を使っておられる方というのは、例えば腫瘍マーカーが検査項目としてあれば、「いや、自費ですから3,000円ですよ」とか「5,000円ですよ」とか、「プラス自費になりますよ」とかといっても、普段はなかなか受ける機会がないので受診される方もいるのではないかと思うんです。なぜなら、やはり病院に行って、「私、ちょっと、がんが心配なので腫瘍マーカー検査をしてください」といっても、簡単にできないということもありますし、そういったことが検査項目としてあればいいなというふうに思います。

市をあげて禁煙奨励を

それからあと、たばこも、やはりこれはやめたほうがいいと思います。これを、本当は清瀬市としては、私が以前に勤めていた病院では、当然、病院は禁煙というのはもう奨励されるべきで、だけれども、吸っちゃいけないということはなかなか言えないので、禁煙奨励という形をとっていました。つまり、禁煙をすると―敷地内に当然、喫煙所はないんですよ、もう一切取っ払っちゃって。禁煙をするとボーナスが出るんですよ、奨励金として。行政でそういうことができるかどうかわかりませんけれども、そういうことがあると、より励みになりますよね。

清瀬に高度ガン治療センターを

病院の街ついでに申し上げると、旧都立清瀬小児病院の跡地にがんの高度治療センターみたいなものが誘致できないか。日本全国には、がんの高度治療センターとして粒子線治療などがあります。重粒子線治療というのは、これは普通のがん治療と違って、普通のがん治療、放射線なんかだと、がん組織だけじゃなくて健常な臓器もやられちゃうと。がん組織だけじゃなくて、ちゃんとしたところもやられちゃうので非常に副作用が強いということがありますけれども、重粒子線治療、粒子線治療というのは、そのがん、患部だけを狙って攻撃をしてくれるので、非常に体に対するダメージが低いという、そういう治療法です。

この粒子線治療を受けられる病院というのは、全国で8か所しかありません。都内にも、もちろんないんです。それは、いろんな要因があるんですけれども、一つは施設が高い、機械が高いということと、それから、例えば重粒子線などはそうなんですけれども、ものすごく広大な面積が要るんですよね。野球場ぐらいの面積が要るんですよ。土地代がかかる、医療機器も高いという意味では、全国に広がっていかないということなんです。

今、がん保険なんかも、特約で高度治療を受けられるような商品もありますし、今後、どんどんそういったことも普及してくることを考えれば、病院の街・清瀬にそうした高度治療センターが一つあってもいいと思います。それは、我々、清瀬市が幾ら頑張ったって建てられないし、それは東京都にお願いして、そういうような方を誘致してもらうとか、スポンサーを探したりしなきゃいけないとか、いろいろあるんですけれども、そういうようなこともあってもいいかなというふうに思います。是非、今後の検討課題にして頂ければと思います。

Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | 優しいまち-福祉