2014年04月10日

■結核研究所、視察しました。

結核研究所

清瀬市にある結核研究所は、世界の結核治療の中心拠点です。その歴史は古く、昭和6年に東京府立清瀬病院として結核の専門病院が開設されて以降、昭和18年に結核研究所もこの地に開設されました。

“となりのトトロ”などのジブリ作品を観るまでもなく、戦前戦後において“結核”は不治の病として恐れられていました。その後、治療薬の開発により亡くなる病ではなくなりましたが、それでも世界で1/3の人が感染し、そのうち10%の人が発症します。このことから、未だに驚くほど多くの人が結核に感染していることが分かります。医療の整備されていない発展途上国は、現在でも恐るべき病である事実は変わりません。

渋谷金太郎市長は、世界の三大感染病(エイズ・結核・マラリア)のひとつである結核治療の中心拠点が100年以上前から清瀬にあることに着目し、「清瀬の結核研究所を世界医療文化遺産に」と呼びかけています。

市長のそうした訴えを我々議員もしっかりと共有しようと、今回、4/3(金)に行われた「ストップ結核パートナーシップ」主催によるツアーに参加しました。メインは都内の官僚や研究者の方々でしたが、地元議員、そして市職員も入れてもらったのです。

結核研究所

私も複十字病院はかかりつけ病院として何度も来院していますが、「結核研究所」に入ったのは初めてです。複十字病院の建物の右奥(西側)にあります。研究施設らしく、結核菌におかされた標本の数々も展示されており、それらやレントゲン写真などひとつひとつ丁寧にご解説して頂きました。また研究所の施設内をご案内頂きました。施設内には宿泊施設もあり、ここに海外から毎年何十人(何百人?)もの研究者の方々が長期間滞在し、結核治療について技術研修されて帰国されるそうです。その方々にとっては、清瀬=結核であり、結核治療の技術や知識や「キヨセ・ナレッヂ」と呼んでいるそうです。

日本BCG研究所

その後、隣接する敷地にある「BCG研究所」の外観を見学。ここでは、結核菌を予報するためのBCGワクチンを作っています。ここから、日本全国、世界各国にBCGワクチンが輸出されています。

外気舎

そのまま、東京病院の奥、療護園の裏手にある「外気舎」を見学しました。「外気舎」とは、結核治療のため長期入院されていた患者さんのうち、回復し社会に復帰の見込みが出てきた患者さんが作業や歩行リハビリなどしながら生活する施設、というにはあまりに粗末で小屋といった感じです。

IMG_6365

竹丘の喜望園から梅園方面に来るとき、右側の雑木林地帯(上宮保育園の向かい側)はなんだろうと、かねて不思議でしたが、まさにこの「外気舎」があるのはこの一帯です。当時のリハビリ用の散歩コースなども荒れた状態でそのまま残っていました。

まさに昭和の世界が手つかずで残っていましたが、特に保存用に何もしている様子がないので、このままでは朽ち果ててしまうでしょう。何らかの手をかけていく必要を感じました。

結核研究所


Posted by takosuzuki │ ■視察