2015年02月05日
★広島の土砂災害を教訓として防災計画を【H26年9月議会】

広島の土砂災害から清瀬市は何を学ぶか
死者72名、不明者2名の大災害となった広島の土砂災害から、私たちは何を教訓とすべきでしょうか。土砂災害としてみた場合、幸い清瀬市は基本的に平地を地盤としているため、土砂災害そのものは起こりにくいといっていいでしょう。とは言っても、昨日の答弁にもありましたように市内5か所の危険予想個所がある。確かに、柳瀬川の河畔に接している地域は、のり面が存在し、野塩一丁目西原遺跡の北側や、第四小学校の南側、中里の柿の下住宅の南側、また台田団地の南側など、のり面のすぐそばに住宅地があります。想定し防災準備をするに越したことはありません。
市民ひとり一人が災害想定を
私は今回の災害で強く思ったことは、行政がもっと早く避難勧告をということも、結果論としてはもちろんそう思いますが、それ以上に、住民一人ひとりが自分の住まいの地域においてどんな災害が想定されるのか、知っておくべきだったのでは思いました。今回被害にあわれ亡くなられた方々がどの程度自分の居住地域に潜む災害を知っていたでしょうか。そしてまた、知っていたとして、どのようにしたらその被害を回避できるか方途を知っていたでしょうか。マスコミ世論はこうした災害の際、行政の瑕疵を強く問いますが、本質的に被害を最小限にできるのは他ならぬ自分自身です。行政は市民一人ひとりすべての災害想定はできないからです。もちろん行政のすべきだったことを免責はしませんし、行政は行政として反省しなくてはいけませんが、何しろ予算とマンパワーに限りのある行政には、どうしたってマクロな対策になってしまうのは仕方のないことです。
言うまでもなく、防災の基本となるのは「自助」であり、そして何よりも「共助」です。災害発生時、誰に助けられたかを調査したデータがあります。日本火災学会の「1995年兵庫県南部地震、つまり阪神淡路大震災における火災に関する調査報告書」で、生き埋めや閉じ込められた際に自力や家族によって助かった「自助」が66.8%と3分の2を占め、友人や隣人、通行人に助けられた「共助」が30.7%、自助と共助を合わせて9割以上も占めていました。救助隊に助けられたという「公助」は、何とわずかに1.7%に過ぎなかったのです。
こうしたデータを待つまでもなく、私は今般、行政のすすめる「円卓」による地域コミュニティの活性化は、何より防災対策においてこそ、その最大の目的・実施効果があると思っています。
災害想定を学ぶ“DIG”をやっては
その意味で、各地域地域で防災訓練を行っていくことの重要性を強く訴えるとともに、昨日、斉藤あき子議員が取り上げました、「HUG(避難所運営ゲーム)」もさることながら、まずはその地域でどんな災害が想定されるのかをシミュレートする「DIG(デザスター・イマジネーション・ゲーム)」を各地域コミュニティごとに実施してはと訴えるものです。

四中円卓会議で行ったHUG(避難所運営ゲーム)
DIGについては、これまで本議会で斉藤あき子議員からも取り上げられ皆様にはご承知のことだとは思いますが、この夏、私も本格的な防災に関する研修を受ける機会があり、そこでこのDIGを実際にやってみました。ある地域の大きく拡大された白地図を数名で囲み、まずは地域の特性を分析していきます。河川や丘陵の分布など地域の特性を知り、その中で住宅の分布はどうなっているのか、公共施設や学校、警察、消防、病院の位置はどこなのか確認する。そして、この地域ではどんな災害が想定されるのか、その災害が起こった際、どういう経路で住民はどこへ避難するのか、参加者がそれぞれ思いつくままに列挙し、議論していきます。こうした図上訓練、想定演習があって、はじめていざという時に役に立つ対策になるものと思います。
今回の広島の災害では、被害拡大の原因のひとつに「被害現場の多くが、警戒区域や特別警戒区域に指定されておらず、危険性が住民に伝わっていなかった」ことがあげられています。そうした警戒区域に指定されることも大事だが、指定されるされないに関わらず、市民が自らの住む地域の特性をよく理解することねそれができるのがDIGなのです。
自治会や民生委員、消防団、それぞれの地域におけるそうした防災の担い手が、実際の災害を想定して行う「DIG」。ぜひ、実施へ向けご検討頂きますよう提案致します。
【答弁/石川智裕総務部長】DIGといってもいろいろあるんでしょうね。私が今回受けたDIGというのは、何しろ地震と土砂災害とか余り関係なく、この白地図に描かれている土地はどんな被害があるでしょうかというところから始まったんですね。当然、地震というのはどこの土地であれ起こるわけで、震度何以上の地震が起きたらこの地域はどうなるだろうねという想定を行っていく、または大雨があったときにはどうなんだろうとかということなわけで、ある種、どんな災害にも対処できるような図上想定訓練ということになってこようかと思うんですね。ぜひ、そういった角度でのDIGを検討いただければと思うんです。
DIGは、災害情報を具体的にイメージし対応する図上型防災訓練ですが、この図上訓練は、各自の危機管理能力を向上するのに有効であり、簡単な資機材や室内でも実施でき、極めて簡易でインパクトのある訓練でございます。
本市でも、出前講座や総合防災訓練の説明会の席上で、ある特定の日時の地震発生を想定したごく簡易な図上型防災訓練を試験的に実施したことがあり、参加者、おのおのの意識の高揚が図られたと認識しております。
これまでのDIGは地震編を主に取り扱ってまいりましたが、今回の広島土砂災害を教訓に水害編DIGも取り入れ、避難所運営協議会や自主防災組織等における防災の活動や会議、町内の訓練等、機会を見つけ活用を図っていくように検討していきたいと考えております。
清瀬における最大雨量は
さておいて、今回の広島の災害は、1時間に安佐北区上原に設置した県の雨量計では、午前3時までに1時間に92ミリ、4時までは1時間に115ミリという雨量だったそうで、これがピンとこないというか、大変な雨だっただろうということはわかるんですが、例えば清瀬市においては、過去どれくらいの大雨が降ったんでしょうか。記録にある範囲で結構なんですが、総雨量とか、また時間当たり雨量とか。
また、最近増えてきているのか、それが頻度として。そういういわゆる豪雨と言ってしまうと、集中豪雨のことは時間当たり50ミリ以上を言うらしいので豪雨と言いにくいんですが、大雨は最近増えているのかどうなのか、そういったデータがあれば教えていただきたいんですが。例えば、今年(2014年)の8月5日の台風11号のときの雨、あれはどれぐらいだったのかとか。
私の記憶に新しいのは、2年前(2012年)の5月10日、忘れもしない、私が柳泉園組合議会が終わってスーツのまま、たまたま中里一丁目を通りかかったら大雨が突如降ってきて、私が何度も言っている中里一丁目のあの住宅です。車をそこに置いて、私のスーツはみるみる腰までつかってしまったということがあったんですが、あれは何ミリぐらいだったのか。
※参考 ■恐ろしい豪雨!! 2012.5.30記事
それから、私、最初の議会の質問で中里一丁目の冠水対策をというお願いをしたときの当時の部長の御答弁が、その前年ですね、つまり2010年7月5日の大雨のことをおっしゃっておられた。あの雨量はどのくらいだったのか、お答えいただければと思います。

2010年7月5日の豪雨。増水して氾濫しそうな柳瀬川
【答弁/石川智裕総務部長】
まず、記録の中で過去もしくは10年ぐらいの間ですが、過去10年間の1時間雨量の中では、一番降ったのは平成22年7月5日のゲリラ豪雨で、多分、午後6時ごろから1時間の間に73ミリ、これが過去10年間の1時間の最大となっております。
それから、1日の雨量としては、これは平成23年9月21日の台風15号、これが158ミリとなってございます。それから、雨量計でいきますと、さっきご指摘いただいた今年の8月の台風、あれは43ミリでございました。それから、2年前、平成24年5月の豪雨、これが時間最大26ミリでございました。
それから、そういった集中豪雨等の回数ですが、ここですと平成23年が2日で3回、平成24年が8日で8回、平成25年が7日で9回、平成26年が5日で5回ということで、右肩に上がってきているわけではないですが、すごく多いし、個人的感想ですが、季節的にも4月から11月ぐらいまでということで、期間もすごく長いようだと感じております。
【答弁/渋谷金太郎市長】今、市長が言っていただいた35年前というのは、私はつまり小学生、中学生のころなんですよ。私は清瀬第四小学校でしたから、清瀬第四小学校というのは空堀川が横を流れていて、流された友達はいませんが、家が流された友達は何人もいて、圓福寺の西側の子も友達でして、T君というんですが、クリーニング屋さんを営んでいる、その子の家も流れてしまいまして、今おっしゃった野塩団地の西側の萌黄野住宅、あそこも大変でした。
35年ぐらい前は空堀川が改修されていなかったから、ちょうど清瀬第四小学校の裏手を走っていたから台風が来ると溢水して清瀬第四小学校の裏手の住宅の床下近くになるまでは溢水していて、圓福寺の西側の住宅は清瀬市消防団第6分団の分団長が避難命令を出しておんぶして避難させた。それは消防署が避難命令を出したんじゃなくて、清瀬市消防団第6分団の当時の分団長が避難命令を出して避難させた事例もあるし、野塩都営住宅の裏側の柳瀬川のところでは1軒が流された、鈴木都知事のときに。そういった、30年以上も前だが事例があります。
私、皆さんもご承知のように、柳瀬川の河畔に住んでいますので、50年柳瀬川の水位を見ております。さっき清瀬市で最大雨量になった73ミリというとき、2010年7月5日のときは、本当にあともう少しで柳瀬川決壊、氾濫という状況でしたね。今まで清瀬市の最大雨量でも何とか柳瀬川は決壊しなかった、氾濫しなかった。空堀川も、その後、行政のご努力、東京都も含め努力によって拡幅されましたので、空堀川の氾濫というのもなくなりましたが、そうした意味では、今回、ハザードマップをつくっていただいた水害想定地域の中の、あれもまんざら現実味を増していることでありましょうし、備えていきたいと思うんですね。
清瀬市の急傾斜地崩壊危険個所は
きのう、他の議員へのご答弁で、土砂災害想定箇所、つまり急傾斜地崩壊危険地域が市内には5か所あるというお話でした。そういったことに対する防災訓練へのアプローチも既に進められているということで安心をいたしました。ちなみに、その想定箇所、どことおっしゃらなかったんですが、これは公表されていないことなんでしょうか。もし言えることであれば言っていただきたいし、土砂災害防止法に定められているイエローゾーンと言われる土砂災害警戒区域、またレッドゾーン特別警戒区域というのは、清瀬市に今現在指定されているのかどうか、ご答弁をお願いいたします。
【答弁/石川智裕総務部長】その5か所から、今後精査されて指定されるかどうかということですね。わかりました。
急傾斜地崩壊危険箇所なんですが、これは5か所ありまして、このマップにも載せておりますので、特に非公開ということはなく、先ほどご答弁いただいた地区にありますので、丁目は今細かい図がないんですが、もう公表してございます。
あと、そちらの指定なんですが、それは東京都で恐らく6,900か所ほど、今認定が終わっているというんですか、その急傾斜地崩壊危険箇所のうち、東京都が調査をして、それが土砂災害警戒区域、もしくは特別区域に認定していく、もしくはそうじゃない。まだうちの5か所というのは認定が終わっていないので、そういった扱いになっております。予定では、たしか平成32年までに東京都は、多分残りが2,800か所ぐらい、都全体ですがあるので、それを平成32年のうちには認定を終わらせると聞いております。
危険時の市民へのアナウンスは
もう一つ、広島市の教訓としては、真夜中にあって、そのものが指定されていなかったということもあるんですが、清瀬市の場合、もしそういう危険性があったときに、どういう手段で告知、アナウンスを地域住民の方にされるかお伺いいたします。
【答弁/石川智裕総務部長】おっしゃるとおり、ツイッターもすごく有効だったと今回書いてありました。ツイッターというのは個別にいきますから、ある種情報を取りにいく手段ですから、ネットの場合、その上で、防災放送と行政無線というのも、何を言っているかわからないが何か言っているということで一つのアテンションになっていく場合もあるので、真夜中であってもそういうことが一つ有効なのかなと思います。
仮に台風等であれば事前に予測ができますので、例えば避難準備情報ですとか、今回もその台風、たしか11号のときに、夕方の段階で自主避難ということで、避難所4か所ぐらいあけて職員を配置して、いつ来てもいいように夕方のうちにとっておいたんですが、もしくは本市ホームページ、一斉メール、フェイスブック、ツイッターなどがありますが、ただ、緊急の場合というのは、とても難しくてなかなか真夜中に出せない。当然、情報の伝達方法は多重化していきますが、やはり議員からご指摘があったように、ご自分の災害として例えば垂直避難していただく、こういったことも有効ですので、平時のうちから啓発というんですか、そういったことをしていくことが大切でないかと思っております。
それから、地域防災の一つのかなめとしてDIGをやっていく場合に、日中昼間の男手がないことから、中学生の活用をどうするのか聞こうと思ったんですが、時間がないのでやめます。ぜひ、中学生を、地震またはその他災害のときに、とめ置きということでマニュアルになっていますが、現在も柔軟にご対応いただいていますが、地域防災のかなめとなるような施策をぜひご検討いただければと要望いたします。
Posted by takosuzuki
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