2015年03月30日

★水再生センターの汚泥を農に再利用を【H26年12月議会】

水再生センターの汚泥を農に再利用

清瀬市の水再生センターは、近隣9市の下水を浄化する施設で、日ごろ市長もおっしゃられているように近隣9市のためにその汚れ役を我が清瀬市が引き受けています。下水をキレイにする過程で発生する汚泥は、ガス化炉で焼却され灰としてエコセメント化されています。ちなみに汚泥を焼却する際、少ない酸素で蒸し焼きにしてガス化し、そのガスを発電に用いていますが、この技術をもっている清瀬の水再生センターは世界初の施設であり、燃焼エネルギーを再利用していることから、大きな省エネ効果があるだけではなく、通常の焼却処理で発生する温室効果ガスも出ないことから、地球温暖化対策の切り札としても注目されています。

これはこれでプロセスとしては完結しているのですが、近年、こうした下水処理場から出る汚泥や処理水を食料生産に生かす取り組みが全国に広がっているそうで、新聞報道によれば、トマトの収穫量を増やしたり、ノリのうまみを増すなど新技術も登場。国では処理技術と農業利用のセットで海外への売り込みを図り、汚水と美食のかけ離れたイメージを逆手に取り「ビストロ(庶民的な料理店)下水道」と銘打っているそうです。

処理過程で肥沃な汚泥が生まれる

処理場では、下水の汚れを微生物に分解させて沈殿させ、上澄みの水を浄化したのち放流。沈殿した汚泥には、肥料の3大要素と言われる、窒素、リン、カリウムが豊富に含まれており、近年の肥料価格高騰もあり、肥料化へとその価値も見直されているそうです。

もとより、水再生センターは東京都の施設であり、清瀬市一市の意向でどうこうできるものではありませんが、肥料として豊潤なものであるものをムザムザ焼却処理してしまうのも勿体ない気がします。その全部とは言わないまでも、その一部を使って肥料化できないか東京都に検討をお願いしてはいかがでしょうか。また、肥料化の際には、また明治薬科大学のご協力を頂き、放射能検査や肥料化のノウハウなどもご協力頂ければと思います。
【答弁/黒田和雄都市整備部長】
下水を処理した際に発生する汚泥焼却灰の埋め立て処分量は、年々削減傾向にあると言われておりますが、それでも汚泥焼却灰の資源化は平成22年度、全国レベルで80%弱という資源化率で、100%の資源化に向けまだまだ努力が必要な状況であると聞いております。

そのような中、資源化を推進していく一つの方策として、今年の4月ごろに報道でも取り上げられましたが、下水道処理場から出る汚泥や処理水を農産物や海産物など、食料生産に生かす取り組みが広がりつつあるとのことでございます。愛知県豊橋市では、トマトの収穫量が3割増加したほか、有明のノリの生産で有名な佐賀市では、処理水の窒素濃度をあえて高いまま海に放流することで、おいしいノリの生産に向けた事業化が既になされているとのことでございました。

一方、本市にある清瀬水再生センターを含め、多摩地域の水再生センター7か所を所管する東京都に、この件について伺ったところ、汚泥焼却灰を有効利用する方策として、これまでも時代のニーズに合わせ、建設用資材化に向けた取り組みを実施し、平成9年度からは汚泥焼却灰の100%の資源化を実現してきた経緯があるとのことでございます。しかしながら、平成23年3月の東日本大震災に伴う福島第一原発発電所からの放射性物質の問題で、汚泥焼却灰の資源化は一時停止される状況となりましたが、現在は放射能濃度も低減傾向にあることを踏まえ、日々発生する汚泥焼却灰を再び建設用資材として試験的に資源化が始まっているとのことでございます。

さて、議員ご質問の下水汚泥の肥料化に向けての東京都の見解は、現状の設備の変更に伴い、新たな設備投資が必要になることや、事業化に向けた市場動向、つまり安定した下水汚泥の肥料化の需要が続くとともに、供給のバランスが保たれながら持続していく必要があることなど、懸念もあるとのことでございましたが、今後、下水汚泥の肥料化の需要が膨らんでくれば、資源化のメニューの一つとして間違いなく検討項目に上がってくるとのことでございました。

また、清瀬水再生センターは、議員ご指摘のとおり東京都の施設であり、その管理運営に係る経費につきましては、東京都を初め、汚水を流している本市のほか、武蔵野市、小金井市、小平市、東村山市、東大和市、東久留米市、武蔵村山市、西東京市の9市で負担している状況もございますことから、今後、庁内の関係部署と連携を図り、農業を取り巻く状況を見ていく中で、下水汚泥の肥料化の需要が膨らんでいく状況となった場合には、清瀬水再生センターを利用している他の近隣8市にもご相談をして、足並みがそろうようであれば、9市全体の取り組み事項として、東京都とも調整を図ってまいりたいと考えております。

何よりも放射能が心配なので、実際どうかということになると、将来的に汚泥の中から放射能が取り除かれることがあるのかというのも、甚だ私は疑問に思っていますが、もし放射能濃度が下がって、肥料として使えるようになれればいいと思いますが。

汚泥はエコセメント化がいいのか、肥料化するのがいいのか

現状は先ほども言いましたように、もう今完結してしまっているので、汚泥を焼却したものがエコセメントになってしまって、焼却の際に使ったガスも電力になってしまって、全く無駄がないですからね、今、水再生センターの仕組みとしては。そこで全くもう完結しているものに、わざわざこっちにも少しよこせというのも変な話なんですが、ただ、汚泥にこれだけの豊潤な肥料が残っているというのも、これは事実なので、エコセメント化するのも、それはそれですばらしいんですけれども、農業に使ってもいいんではないかという。これは放射能がなかったらの話ですから、そういうことでよろしくお願いします。

※関連
清瀬水再生センターを視察しました。 2011.12.18 記事


Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | シティデザイン・その他