2015年08月24日

●恐怖の野塩団地西の坂

野塩団地西の坂

野塩団地には、大きく3つの坂によってしか入れない。明治薬科大に沿ってのほとんど傾斜の分からない坂。旧第四保育園脇を通る緩やかな坂。そして、西側にある急こう配の坂。そして、この坂が最も駅やいなげやに近い道だ。

市内で最も高齢者比率の高い野塩団地住民にとって、毎年夏は、ほとんど命がけでこの坂に挑む。そして、私はこの夏、3件のアクシデントにこの坂で遭遇した。

まず一件目は、坂の下で倒れている自転車とおばあちゃん、それを泣きながら介抱している若い娘さん。すぐに駆けつけると、どうやらお孫さんである若い娘さんがおばあちゃんを後ろに乗せて病院に行った帰り道、坂を下りる際にバランスを崩し、坂下で転倒したそうだ。おばあちゃんは意識はあるものの、頭をしたたか打ったらしく、動けない。事故の際、そばにいた小学生が持っていた携帯で救急車を読んでくれており、私は自分の車から毛布をだし、頭の下にそっと敷き、救急車を待った。その後、連れ合いであるおじいちゃんも駆けつけ、救急車で運ばれた。後日、聞いたところでは、大事には至らなかったそうだ。

二件目は、坂の途中で、高齢のご婦人3人ほどが一人のおばあちゃんを介抱している。その横で軽自動車が止まっていた。自動車事故かと思ったがそうではなく、坂の途中で気分が悪くなりうずくまっていたおばあちゃんを、たまたま通りかかったご婦人たちが介抱していたところに、よく見知った人が車で通りかかったため、病院に連れて行ってもらうため、その車に乗せようとしていたらしいが、なかなか乗せることができずに難儀していたそうだ。そこで私もお手伝いし、車にお乗せし、病院に運ばれた。この方も、やはり大事には至らなかったそうだ。

三件目は、坂を上りきったところで、半身不随で杖をついて歩いていた60代くらいの男性を、若い男女が左右から抱え込んでいた現場に遭遇。どうしたのか聞くと、半身不随の男性が坂を上り切り、あまりの暑さのためか立ち往生していたところに、薬科大の学生さんが声をかけると、出かけようと思ったが息が上がり、家に帰りたいから連れ帰ってほしいと頼まれたそうだった。であれば私の車でお送りするからと、ご本人と学生さんお二人にも同乗頂き、団地2階のその方の家まで学生さんに手伝ってもらい、送り届けた。この方も後日お会いすると大事には至らなかったと喜んでおられた。

たまたま私が遭遇したのはこの3件だが、実際にはもっと多くの大なり小なりアクシデントがあったことだろう。幸い、いずれの場合も、小学生や団地のご婦人、そしてたまたま通りかかった薬科大生などが、助けてくれた。それぞれ、見て見ぬふりをしようと思えばできたのに。このことが本当に嬉しかった。

特に、薬科大生の場合、これこそスルーしようと思えばできたはずで、私がドッキングした際には、二人とも額に玉の汗をかいていた。私は、あまりに嬉しくてお名前を聞くと、その後すぐに薬科大に御礼の電話を差し上げた。

他人との没交渉が世の常の昨今、いかに近所の絆を深めることが難しいか。こうした成功事例を、どんどん語っていくしか、他人に声をかけていく勇気は生まれてこないだろう。

そして、もうひとつ。この急坂、なんとかならないものだろうか。この夏前、私が選挙時にお約束した休憩ベンチをつけて頂いた。小さなことではあるが、こうしたことも是非、行政として取り組んで頂きたい。

猛暑の出来事だった。

【参考】
「野塩団地西の坂のベンチ増設を」が実現しました。 2015.6.23

Posted by takosuzuki │ ■活動日誌/BLOG