2016年06月21日
★是枝監督映画「海よりもより青く」の市をあげてのプロモーションを/平成28年3月議会

この映画は、清瀬市旭が丘団地出身の是枝裕和監督が、2014年に行われた世界三大映画祭のひとつであるカンヌ映画祭において、最高賞パルムドール、審査員特別大賞に次ぐ賞である審査員賞を受賞し、「世界の是枝」としての名を一層世界に広めた直後に、手がけた作品です。
スタッフの方からお聞きしたところによれば、是枝監督はかねて、自分が9歳から28歳までの29年間という多感な青少年期を送った清瀬市旭が丘団地を舞台とした映画を作りたいと念願されておられたそうで、カンヌで受賞され「世界の是枝」としてのブランドがより確かなものになったところで、いよいよ満を持して、この作品を書き下ろされたのだろうと感じました。
皆様ご存じのとおり、撮影は一昨年の5月頃から市内各所においてすすめられ、旭が丘団地はもとより、野塩団地、清瀬駅、役所周辺、新杵など、ロケの大部分は清瀬で行われました。撮影現場では、阿部寛さんや真木よう子さん、樹木希林さん、小林聡美さん、橋詰功さんなど、有名な俳優さんの出現にパニック状態となりました。

野塩団地での撮影の様子
清瀬市満載のこの映画で、大々的に盛り上げよう!!
そしていよいよ、この5月21日、この映画『海よりもまだ深く』は公開されることが決定を致しました。私も一部撮影のお手伝いをさせて頂いたことから、市長とともに試写会にお邪魔を致しましたが、冒頭のシーンは旭が丘団地の家の中。その次のシーンは主演の阿部寛さんが実家のある旭が丘団地に来るという設定で、清瀬駅北口の全景、中二階の立ち食いソバ屋でおそばを食べ、北口ロータリーから西武バスに乗って旭が丘団地に降り立ち、団地の中を歩いている途中、野塩団地のタコ公園を通ったりと、それはそれは我が清瀬市民にとって、これでもかとばかり清瀬のあちこちの名所が登場し、涙を流して喜ぶシーンの連続です。また主演の方々の後ろを彩るエキストラも近所の見知った方々ばかり。私も失神しそうでした。
もう二度とないであろう、こうした機会を清瀬市の絶好のシティプロモーションとして効果的に使って頂きたいと、これまで度々今村部長とは打ち合わせをさせて頂いていますが、ここで確認の意味でこの場を使わせて頂きます。個々については、自席にてご提案させて頂きますが、今回の映画製作、また公開にあたってのご所見をお伺いいたします。
【答弁/今村広司企画部長】日本アカデミーで4冠を受賞!!
これまでもご答弁させて頂きましたが、本市としましては、このまたとない機会をシティプロモーションのチャンスと捉え、できる限りのことはしていきたいと考えております。
ちょうど2年前、是枝監督が清瀬市を舞台にした映画を撮りたいとのことで、鈴木議員より製作の担当の方をご紹介頂いたことから、この映画にご協力をさせて頂くことになりました。その後、本市としても製作の方から撮影場所のイメージをお聞きし、市内をご案内したり、ロケに立ち会ったりいたしましたので、今回の公開の決定を聞き、大変うれしく思っております。
このような清瀬市にとってかつてないすばらしい映画の全国公開は清瀬市をPRするため、またとないチャンスでありますので、市民の皆さんと一緒にこの映画を盛り上げ、さまざまなPR策を講じてまいりたいと考えております。
本日、私の登壇になる前日、土曜日でしたでしょうか、日本アカデミー賞で『海街diary』で是枝監督は最優秀作品賞、監督賞、撮影賞、照明賞と4冠を獲得されました。一つの作品を出すごとに是枝監督に箔がついてくるというのは、また本当にすごいなと思います。
あえて“清瀬市”が特定されている映画
本来はこういう映画の場合、風光明媚なところだったり、またその土地そのものが題材になるような所ならともかく、風光明媚でもないし、その土地そのものにも別に意味がないのに、清瀬市ということをあえて出すという、ここがもうしびれちゃいますよね。
今回事前に、台本を見せて頂きました。そもそも台本のト書きに“清瀬駅”とか“旭が丘団地センター前”とか“ホルン洋菓子店前”とか“ドウラン通り前”とかと書いてあるんです。清瀬市の自主映画をつくっているんじゃないんだから、そこまで指定しなくてもいいんじゃないかと思いました。東村山市で撮影された映画『あん』みたいに、全生園と言わなければ作品として成立しない映画ならともかく、内容的に清瀬市と言わなければ成立しない映画じゃないんです。だけれども、あえて、清瀬、西武鉄道清瀬駅とバンッと出しちゃう、これもうすごいです。皆さんにも、本当に早く見て頂きたいと思います。

台本には清瀬駅とハッキリ書かれている
先日の他の議員の話でも、是枝監督にお会いして清瀬市の作品つくってくださいとその議員がお願いしたら、重過ぎてまだつくれないと言われたというお話がありましたが、でもまあその直後に『そして父になる』を書かれて、カンヌの審査員賞をとられて、そして帰国されその次につつくられた作品が、この『海よりもまだ深く』という作品なわけです(※実際は『海街diary』)。
清瀬に錦を飾って頂いた
思いが強過ぎて書けないと言われていたのに、でもすぐに手掛けられた、何でだろうと私思ったんですが、やはり、何でもない人が清瀬市というものを題材にして世に出したってスルーされちゃうわけです。だが、世界の是枝としてブランドがついて箔がついて出したときには、それは非常に重みのある作品になってくるんだろう。そういうご配慮もあったんではないかと思うんです。これは私の想像ですが。
それはやはり監督の中には、故郷に錦を飾る的な心情があったのではないか。だけれども、是枝監督にとって故郷である清瀬市にはもう実家はないわけで、飾るべき故郷はもう清瀬市ではないんです。肉親はいらっしゃらないんだろうから。でも我々飾られた故郷の側からすれば、これ以上の重い価値のある錦はないわけです。監督はご自身のために錦を飾ったわけじゃなくて、清瀬市のために錦を飾って頂いたんだろうなとすごく思います。
今回の作品は原案、監督、脚本、編集という四つの冠が是枝監督のタイトルにはついているんです。監督ご自身が着想し、作品を書いて、編集して、監督するという、そういうこともあるでしょう、恐らく。『そして父になる』ももちろんそうでしたが、原案というところまでなかなか言う必要がないというか言わない。だけれども、今回の作品については、原案、監督、脚本、編集と四つついているんです。全部これは俺だぞ、俺がつくったんだぞというところをまず出して頂いて、そして清瀬市と書いて頂いているということは、すごくやはり受け手である我々も、丁重にこれを扱わなければいけないんだろうなという思いを強くしたわけです。
市のロケーションボックスもできる
今回、撮影の協力をさせて頂く中で感じたことは、テレビの場合はそうでもないんですが、映画というのは本当にやはり大変なもんだなと思いました。その意味で、私もかねてロケーションボックスについて、去年の3月だったと思いますが、質問させて頂きまして、今回そういうご縁を頂いて、担当課にぜひ撮影協力をして頂きたいというお願いをしたときに、約3カ月間にわたって清瀬市としては撮影の補助というか、お手伝いをずっとして頂いたわけです。そうした経過を見ている中で、本当によくやって頂いたし、もういつロケーションボックスをつくるようなことがあっても、十分にお仕事はして頂けるんだろうなという確信を強くしました。
★映画やTVのロケを誘致し、地域振興の起爆剤に 2013.5.13記事
★事実上のフィルム・コミッション、ロケ情報コーナーの開設を 2013.6.18記事
撮影協力に当たっての三つのお願い
今回私お手伝いをさせて頂くに当たっては、お手伝いさせて頂くかわりといっては何ですが、お願いを三つしました。
一つは、エキストラを地元で使ってほしいというお願いです。これはもう十分にさっきも申し上げましたが、地元老人会、そして旭が丘自治会の方々も、見てください、もう随所に出てきます。この人、この人、この人と。中にはこの間亡くなったばかりの人もいて、もうあの人にも見せてあげたかったなと思ったんですが、本当に後ろの人たちが身近な人なだけに、本当に清瀬市の物語と見間違っちゃうほどでした。
二つ目は出演者、スタッフの方々のバンケット、食事、お弁当の手配を地元の業者を使ってほしいということをお願いしました。これは私、現場では確認できなかったんですが、この間お聞きしたら、極力清瀬市の業者を使いましたというお返事を頂きました。
最後に協力団体として、清瀬市、野塩団地自治会、旭が丘団地自治会とか、そういう関係諸団体はぜひテロップを入れてくださいと言ったんです。それもちゃんと入れて頂いていまして、ただ一瞬で上がっちゃうんで、あれ入っていたかなと、それも後で確認したんですが、三つは、清瀬市、野塩団地自治会、旭が丘団地自治会はクレジットを入れて頂いていました。

パンフレットにも協力団体としてちゃんと書かれている
こういうふうにるる言うと時間ももうあと7分になっちゃったんで、また別の機会にしますが、ぜひ皆さんに見て頂く機会が早く訪れることを願っています。
市として大プロモーションを
最後にひとつひとつ要望致します。一つはまず特別試写会の開催、5月21日ロードショー開始ですから、その前段階で特別試写会をしてほしい。特別試写会というのは監督だとか、それから主演の方だとかが来る。それはぜひけやきホールでやってもらいたいと思っていますが、先日の関係者の方との配給会社との打ち合わせでは、なかなか監督が余り大きいところではやりたがらないというお話で、会場についてはさまざまあると思いますが、ぜひこの特別試写会はやってもらいたいと思います。
それから映画ガイドブックみたいな、ロケーションガイドマップみたいなものもぜひ、先般答弁で割引券のついたというお話がありましたが、ここでロケが行われたよというのが、そういうガイドマップができるとうれしいなと思います。
それから広報として、きよバス車内とか市報とか、またいろいろなところで映画PRをしてもらいたい。あわせて清瀬商工会とか、そういうところとも協力をしてPRして頂きたい。今はクレアビルにありますが、懸垂幕なんかも、クレアビルはちょっと駅から見えないんです。アミュービルだと駅のホームとか電車の中から見えるので、アミュービルに懸垂幕をやってもらって、それは同時に是枝裕和展も一緒に載せれば、ただ単に映画の宣伝だけではなくて、市の事業の宣伝にもなると思います。
先般の打ち合わせのときも、映画配給会社の方はここの映画は清瀬市でロケされましたと、清瀬市の映画ですという清瀬バージョンのポスター、チラシもつくってくださるというお話でしたので、そういったものも十分に利用しながらやって頂ければと思います。
続いて期間限定の職員名刺を、「海よりもまだ深く」バージョン名刺もぜひつくって頂けると、市長の名刺も「海よりもまだ深く」というのを出して頂けるとうれしいと思います。
それから、プロモーション予算捻出のために企業協賛を募って頂きたいと思います。西武鉄道も写っています、西武バスも写っています、新杵も写っています。協賛相手はいっぱいいますので、ぜひ協賛を募って頂きたいと思います。
それから各種新聞の読売、毎日、東京、朝日の多摩版にもぜひニュースリリースを送って頂き、J:COMやFM西東京などのローカルメディアへの露出もお願いしたいと思います。
それから、これはちょっと難しいかもしれないんですが、映画そのものは非常にミクロの絵が多いんです。もう旭が丘団地の部屋の中でのシーンがとても多くて、清瀬市全体を紹介するようなところは余りないんです。けやき通りの全景とか、清瀬駅北口スターバックス前から撮った映写とかありますが、それぐらいなので、もっと清瀬市の柳瀬川通りとか、そういったところを撮って頂けるとよかったという意味では、映画の本編上映前に予告映画があるでしょう。盗撮は禁止されていますみたいなのが流れる。あのところに清瀬市のPR映像を流せたらいいなと思いますが、ちょっとお聞きしたら莫大な予算がかかるそうなのです。それならば、各映画館が持っている枠があるそうなんですね、ローカルコマーシャルがあるところが。そこなら結構手が届くんじゃないかと思うんで、そういうところも使って頂ければいいんじゃないかと思います。
市のプロモーション予算として、映画の協賛を募っては
その意味で、協賛とかプロモーションについての企業タイアップの計画があるのかどうかお聞きします。どういうタイアップのご予定があるか、ちょっとお聞きいたします。
【答弁/今村広司企画部長】何しろお金がなければ、お金の範囲でやるしかないんで、お金を出して頂けるところはぜひ募って頂ければと思います。
タイアップという意味では西武鉄道に今声をかけておりまして、ぜひ製作会社というか、配給会社の方と西武鉄道と我々も入れて頂いて、どんなことができるかというのをちょっと相談しようかなとは思っています。
それから、映画が5月21日公開で、宣伝とかプロモーションの開始はゴールデンウイーク明けからというご計画だとお聞きしています。是枝裕和展が6月いっぱいとお聞きしていまして、やはり大きなメインとなるのは5〜6月ぐらいがプロモーションの大きな目玉の時期になってくると思いますが、その後予定されている清瀬ひまわりフェスティバルや、または市民まつりなんかもうまく宣伝のリレーションができるといいなと思っていますので、これもぜひお願いいたします。
Posted by takosuzuki
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