2016年06月21日
★独居または認知症世帯に火災報知機設置の促進を/平成28年3月議会

2/3のボヤの教訓としてもうひとつ私が学んだことに、独居ないし認知症の高齢者の世帯は、火災のリスクが高く、また火災発生時の第一報が遅れる可能性があるため近隣一帯へ延焼のリスクも高いこということがあります。
高齢者のお宅は火災リスクが高い
例えば、高齢者の方のお宅では、とりたてて認知症と診断されずとも、日常的な物忘れはあります。料理で火をかけていてそれを忘れてしまう。仏前のろうそくの火を消し忘れてしまうなどです。ましてや認知症の方、そしてその方が独居だった場合、火災発災リスクは飛び抜けて高くなります。
今回のボヤのお宅がどうだったか存じ上げませんが、高齢の方のお宅ではあったようで、幸い発災時間が夜の早い19時台だったため、近隣の方にいち早く発見され119番通報、すぐに消火活動ができ、近隣への延焼は全くなかったそうです。もしこのお宅が、より高齢で認知症であり、なおかつもっと遅い時間だった場合、当然発見が遅れ、延焼も進んでいたことでしょう。
高齢者のお宅に火災警報器の設置徹底を
言うまでもなく、木密住宅の中でも、より火災に弱い、古いお宅にお住まいの方のほとんどは高齢者です。また、そうしたお宅の多くは、成人した子供たちは別に所帯をもち、高齢者だけで住んでおられます。こうしたお宅の発災リスクを軽減していくために、そうしたお宅の火災報知器の設置徹底を図るべきと思います。
現在、消防法により住宅用の火災報知器設置は義務化されていますが、高齢者世帯への設置はどのくらい進んでいるのでしょうか。行政として、独居高齢者や認知症の世帯の設置状況をしっかりと確認していくとともに、未設置のお宅には、設置費用を助成したり、また設置をお手伝いしてはいかがでしょうか。
こうした事業が、近隣への安心にも繋がりますし、また地域にとって防災意識向上への一助にもなろうかと思います。
ご所見をお伺い致します。
【答弁/小山利臣高齢福祉担当部長】
ご質問の住宅用火災警報器につきましては、住宅での火災による犠牲者をなくすため、設置が義務づけられ、戸建て住宅や集合住宅を含む全ての住宅が対象となっております。新築や改築する住宅は平成16年10月1日から、そして既存住宅につきましては平成22年4月1日から設置が義務づけられております。設置を怠ることによる罰則等はございませんが、消防署では、火災からご家族やお住まいを守るためにも、また火災を早期発見することで、初期消火や通報等の行動が早まり、近隣への延焼被害も軽減することから、早目に設置を促しております。
本市の設置状況でございますが、消防署のアンケート調査の結果から、90.3%の住宅で設置がされております。また、東京都全体では88.2%となっており、全国的に見ても第3位という高い水準でございます。高齢支援課におきましては、平成19年度から3年にわたり、清瀬市防災婦人の会より寄贈を受けた火災警報器を、生命及び財産を火災などから守ることを目的に、火災警報器給付事業を実施しているところでございます。対象世帯には所得要件などの制限がございますが、対象となった場合の器具の取りつけの費用負担はございません。あわせて、ひとり暮らし高齢者及び高齢者のみの世帯などの高齢者の方々に対しましては、家庭内での火災による緊急事態に備えて、火災警報器や自動消火器装置などの住宅用防災機器を給付する事業も実施しております。
利用者の費用負担につきましては、住民税が課税されているか否か、そして所得額が一定額を超えているかという2点で利用者負担率を定めております。
また、設置につきましても、利用者ご本人が設置することなく、事業者などが行うことになっておりまして、その費用負担は今申し上げました利用者負担率と同様なものとなっております。
春の火災予防週間はきょうまででございますが、この間、消防団の夜間パトロールによりまして、「住宅用火災警報器の設置はもうお済みですか。住宅用火災警報器は火災の煙や熱を感知して警報音で知らせてくれるので、火災の早期発見に大変有効です。また、全ての居室、台所、階段に設置しましょう」という広報を市内全域で行い、火災警報器の有用性を広報いただいております。
これら事業の趣旨、目的に立ち、議員ご指摘の惨禍を繰り返すことのないよう、支給対象の要件等につきまして今後検討し、高齢者などの皆様の安心・安全な生活の確保に努めてまいりたいと存じます。

どこのお宅にも設置してあるはずの火災警報器
高齢者での火災警報器設置の確認を
火災警報器ですが、88.2%という驚くべき数字です。8割以上も設置してあるということなんですね。しかし、今回のぼやでは、火災警報器が鳴らなかったんです。そういうことを考えると、88%、90%近くが設置してあるということで安心してしまうと、実はほとんど用をなさなかったりとかと、この8〜9割設置してあるということがどこまで信憑性、うそじゃないでしょうが、元データがどこなのかということもありますが、ぜひせめて独居高齢者宅、または要援護者宅は設置してあるかしていないかの確認業務、またはしていなかったときには設置の推奨というか推進というか、ぜひこれやっていただきたいと思うんです。これも要望いたします。
【解説】
住宅地での火災は、災害時のみならず平時であっても地域にとっては死活問題です。我が家の防災は完璧でも近所で火災が出れば、延焼の恐れがあるからです。高齢者のお宅でしかも独居だったり認知症だったりした場合、もっとリスクは高まります。私たちの年代だって、鍋に火をかけて忘れてしまう場合がありますからね。であればこそ、火災警報器は必須ですよね。そういう危機感から、この問題を取り上げました。
Posted by takosuzuki
│
│■議会報告/City Concil Report | 優しいまち-福祉