2016年10月04日

★高齢者による自動車事故の防止を/平成28年6月議会

高齢者による自動車事故の防止を

高齢社会における問題で、最近特に多くなっているのは自動車事故です。交通事故の総件数は年々減少する中、65歳以上の高齢ドライバーが起こす事故はここ15年で倍増と、増え続けているという報道もあります。

コンビニやスーパーなどでブレーキとアクセルを踏み間違えて店内に突っ込んでしまう事故は、最近では珍しくないほどあり、高速道路の逆走も最近よく耳にします。自動車事故の場合、その被害は必ず死傷事故につながり、被害者加害者双方にとってその悲惨さは言葉もありません。もちろん、自動車事故は高齢者だけの問題ではありませんが、そのリスクの高い高齢者に絞った対策は急務です。

自動車免許の自主返納と交通安全講習会の実施を

そこで、高齢者に対する自動車免許の自主返納を積極的に推進していくこと、また高齢者に特化した交通安全講習会の実施を提案致します。

全国的に行われているこの自主返納ですが、その成否はふたつあるようです。ひとつは、バスやタクシーの乗車券を配布するなどの運転しない代わりの交通手段の提供。もうひとつは、講習会などを行い自分の運転能力を正しく認識させてあげることです。

何十年も運転をしてきた方にとっては、今後の運転についても過信しているため返納に応じない。そこで運動や知覚能力低下による高齢者事故の悲惨な症例、そして運転能力テストなどにより能力の低下を知ってもらう等のキャンペーンを市内の老人クラブを中心に行ってみてはいかがでしょうか。また、返納者に対する交通手段の確保のため、きよバスや西武バス、またはタクシーの無料券を配布するなど、自主返納に対するインセンティブの確保もご検討頂きたいと思います。ご所見をお伺い致します。

【答弁/黒田和雄都市整備部長】
次に、高齢者による自動車事故の防止をについてでございますが、議員からもご紹介がありましたが、交通事故の総件数が年々減少している中、高齢者の運転による自動車の歩道走行による死亡事故や高速道路の逆走など、ルールを無視した運転による事故が多発しております。その大きな要因として多いのは、実際の運転能力と自己認識のずれに主な原因があるとのことでございます。

このような高齢ドライバーによる事故を少しでも減少させるため、本市といたしましても東村山警察署、交通安全協会など関係機関と連携した交通安全教室や、高齢者の自動車運転への限定的な講習ではございませんが、交通安全全般に関する講習として、関係団体と協力した高齢者と子ども向けの安全教室を実施しているところでございます。

議員ご提案の高齢者に対する自動車運転免許証の自主返納の推進につきましても、高齢ドライバーによる交通事故を減少させる有効な方法の一つであると認識しております。自動車の運転に自信がなくなったり、ご家族から運転が心配だなどと言われた場合、自動車運転免許証の自主返納を考えたほうがご自分のためでもあり、ご家族のためにも安心でございます。また、東村山警察署に確認をしたところ、自治会や老人クラブなどの団体からの要望があれば、自主返納の推進についてのご案内など、受講者に合った内容の交通安全講習を行っていただけるとのことでございました。

ちなみに、ここ数年の自動車運転免許証の自主返納件数につきましては、警視庁管内では平成25年度では1万8,222件、平成26年度は2万7,357件、そして平成27年度は3万5,707件であり、東村山署管内では、平成25年度では303件、平成26年度では503件、平成27年度では510件と年々増加傾向になっております。

また、免許の更新時では70歳から74歳までの方は高齢者講習を受講しなければ免許証の更新ができず、この講習は予約制となっており、希望する教習所に直接電話をして予約を取らないと受講できないとのことです。また、75歳以上の方の免許証の更新では、先ほどの高齢者講習に加え、講習予備検査も受けなければ免許証の更新ができないこととなっております。

この講習予備検査とはご自分の判断力、記憶力の状態を知っていただくための簡易な検査であり、その検査の結果で免許の更新ができなくなることはないとのことですが、判断力、記憶力が低下しているという結果の場合は、臨時適性検査、これは専門医の診断になりますが、これを受けることとなり、その結果、認知症と判断された場合、運転免許の取り消し、または停止となるとのことでございます。
認知症または高齢者による車の事故。これはやはり一番怖いことです。

私も最近車に乗っていて、やけに真ん中を走っている車があるんですよ。これも私は最近ふえたんじゃないかなと思うんですが、やはり高齢者ですね。恐らく車幅感覚というのがちょっと衰えてきているんだと思うんです。

運動能力テストでリスクヘッヂができるのか

さっき部長の答弁の中でも、今高齢者の方々については簡単に免許更新ができない仕組みになっているというお話をいただきました。70歳以上の方は教習所による高齢者講習というのを受けなければいけないよという話があって、75歳以上なると講習予備検査(※)というのがあって、それはだから更新手続をとる前に、運動能力テストみたいのがあるということ、そういう理解でいいんですかね。そういうのがあって、そこで引っかかってしまうと、免許更新ができない仕組みになっていると。

講習予備検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新) 『警視庁ホームページ』

だけど、特に認知症の方というのは、すみません、私のことばかりで、うちの父をそういう病院に連れて行った。急に頭がさえちゃうんですよ。まず、鈴木さん、これとこれを覚えてくださいねと。イチゴ、ミカン、何とかと。そして、また別な話をして、さっきこれを見せたの何でしたか。イチゴ、ミカン、何とかとぱっと言えちゃう。全然大丈夫ですねみたいな。

そういうケースがあって、教習所の予備検査でも恐らく頭が急にコロッと良くなっちゃうんですよ。だから、実際の運転の中で危ない時に瞬発的にハンドル操作ができる能力だとか、何気ない普通の道路を走っている時の認知能力、左側はどれぐらいあいているのかとか、右側はどれぐらいあいているのかというようなことがわかる能力は測れないし、分からない。実際、赤は停まらなければいけないんだとわかっていながら行ってしまうということもある。

そういう予備検査だけでスクリーニングできないというか、そういうケースを何とか食いとめるためには、さっき私が申し上げたように、そういう高齢運転の恐怖、どれだけ他人に迷惑をかけるのかということも含めて、しっかりと老人クラブ等で講習をやっていただくような施策をぜひお考えいただければと思います。

そして、またご答弁がありましたきよバスや西武バスとかの無料パスについてはできないというお話でした。これはセットですよね。行政が自主返納を促そうとするならば、どこかで交通手段の代替というのも提供していかなければいけないということがあると思います。

Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | 優しいまち-福祉