2019年01月10日

★銭湯を高齢者の憩えるサロンに/平成30年6月議会

銭湯を高齢者の憩えるサロンに

麗しい名もなき市民のコミュニティが銭湯
かつて銭湯は、市民にとって唯一の憩いの場であり、市内にも各所に点在していました。私は、清瀬市の庶民層が肩寄せ合って生活の場を営んできた都営野塩団地にほぼ生まれ育ちました。そこは戦後の日本の高度成長を支えた古きよき昭和のまち並みの凝縮された、それはそれは美しい庶民のまちであり、それぞれの家庭が隣の近所の家庭をおもんばかり、貧困の中での子育てや暮らしの悩みを慰め合い、励まし合いしながら暮らしを紡いできた、大変に麗しい名もなき市民のコミュニティでした。それは、清瀬市のいずれの場所も、恐らくそうであったと思います。

銭湯は、そうした庶民たちが文字どおり虚飾を剥ぎ取った一糸まとわぬ姿で暮らしの愚痴を語り合い、慰め合った、現代でいえば、コミュニティサロンだったのです。

市内に3つしかない銭湯
しかし、残念なことに、高度成長の結果、全ての家庭にお風呂は常設され、かつて10以上はあったであろう銭湯も、現在では市内に3か所しか営業していません。

とはいえ、銭湯文化が今日喪失してしまったのかといえばそうではなく、自宅にお風呂があっても、スーパー銭湯や温泉などは年々集客を増している現状を見ると、他人同士が裸で集い合う銭湯文化は、日本人のDNAにしっかりと引き継がれ、どんなに時代は変わろうとも、その価値はいささかも衰えていないこともわかります。

しかし、現実的には、市内にある銭湯は、後継者問題などで廃業のやむなきに至り、わずか3店舗となっています。

銭湯を守る手立てはないか
そこで、この大切な文化遺産と言っていい銭湯を行政として保護する方法はないでしょうか。無論、金銭的な支援といったことではなく、この銭湯のよさをより目を向けさせるような手だてにより支援をするのです。もちろん経営的に依存体質にならないような応援も、でき得ればお願いをしたい。

高齢者の多い清瀬市では、高齢者の健康を維持する、また認知症対策として他者とのコミュニケーションの場を設けるなどの課題もあります。また、地域コミュニティの活性化として、近隣の商店がなくなったことによる井戸端会議の場の喪失も課題としてあります。これらの解消の一つの手として、銭湯を高齢者、または他世代の憩えるサロンとして活用をお願いしてはいかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
【答弁/小山利臣高齢福祉担当部長】
初めに、現在行われております各地域の高齢者サロンの活動状況につきましては、各市民センターや老人いこいの家、自治会や特別養護老人ホームの施設などを会場に、ボランティアグループを初め健康づくり推進員の方々、団地の管理組合法人が運営している場合や、個人の自宅を改造しサロンを活動されている方など、さまざまな場所で行われ、参加者の費用負担も無料の場合や、また昼食代が必要なサロンなど、運営形態も異なっております。

本市におきましては、清瀬市社会福祉協議会などと連携し、サロン活動の立ち上げの相談や運営助成、専門職などによる出前講座、サロンマップの作成、配布など行ってきております。3月末現在では、市内42か所でお茶会や体操、コーラスなどが行われ、参加者間の交流、健康づくり、介護予防などに楽しく取り組んでいただくなど、高齢者施策の特徴ともなっております。

銭湯を活用した高齢者サロンのご提案につきましては、銭湯は古きよき時代を象徴する貴重な文化であり、地域コミュニティの場であったり、子どもたちにとっては社会の秩序を学ぶ一つの場所であるといってもよいのではないかと感じております。議員ご紹介のとおり、現在市内では営業している銭湯は3か所のみとなっており、事業継承されるかも不透明なところがございます。

そのような中、昨年の1月1日の市報におきまして、一面に銭湯の壁画を掲載し、4面、5面には市内の銭湯特集を組むなど、より身近に銭湯のことを知っていただきたく、ご紹介をさせていただいております。また、清瀬市湯めぐりマップを作成し、市内の公共施設はもちろんのこと、ひまわりフェスティバル会場内においてパンフレットを設置し、PRするなどに努めております。

そのほかに施設改修に対する助成制度なども設け、微力でありますが支援を行っております。現在、地域包括支援センターに配置しております生活支援コーディネーターには、サロンなど地域資源の把握とともに、介護予防、地域の支えの活動のため、人材の発掘などにも努めてきており、銭湯の活用につきましても経営者の意向や地域の方々にどのような形でサロンに協力を得られるか、また長期的に市民の憩える場として位置づけができるか、生活支援コーディネーターなどとも検討してまいりたいと考えております。
市報でも特集を組んで紹介していた
今、部長ご答弁いただいたように、そうですか、市報に出していただいていたんですね。やはりすばらしい。去年の1月号ですから、1年前ですかね。すばらしい企画です。

市報/2017年元旦号

市報/2017年元旦号

我々、議会控室から見てて、そこの何湯さんでしたかね、壊されるさまを非常に寂しく思っていまして、野塩団地にも銭湯一つありましたけれども、取り壊されてしまいました。

銭湯を高齢者サロンとして利用するには
今現在、市内42か所で、部長ご紹介あったように3展開がされていて、中では喫茶店を使っているところもあれば、特別養護老人ホームで使っているところもあれば、いろいろな形でサロンとして、野塩団地のいこいの家もサロンとして使われていると思うんですが、もしこの銭湯をサロンとして使う場合には、どういうような形態で使うことが考えられるのか。片方では営業しているわけです。入湯料をとって営業しているというところで、どういう形での展開が考え得るのか、ご披露いただければ。
【答弁/小山利臣高齢福祉担当部長】 
今回、銭湯についてのサロンとか、地域での介護予防的なことの取り組みとしての銭湯の活用なんですが、先駆的に23区でもやっている区がございまして、そういうところをちょっと調べさせていただくと、例えば豊島区の場合なんですが、20か所ぐらいがありまして、11か所でそういうサロン活動をされていると伺っております。特にその中では、営業する前の1時間ぐらいを健康体操とか、そういうことを委託しまして、区としての事業として取り組んでいるようでございます。

そこに対しては、やはり銭湯の経営者の方にも、会場の借り上げ、また健康運動士の方にも、そういう委託料等が発生するわけですが、本市がもしそういうことが可能性がある場合には、昨年の4月から始まりました地域支援事業の中の総合事業、これ地域の住民の方々も一緒にやれるような、ミニデイみたいなものが、介護保険制度の中に組み込みされております。そういうことも、銭湯を活用したミニデイみたいなことを検討できないか、いろいろと研究していければなと今のところ思っているところでございます。
サロンであれば、いわゆる実費で、お茶代100円、200円とかというケースも、利用者負担でということですが、今部長、ご紹介あったような介護予防施設として使うというね。例えば認知症にならないための施設であるとか、介護予防のための施設であるとか、介護保険の枠の中でそこを指定して、そういう形での利用も考えるんじゃないかという部長のご紹介をいただきました。

ただ単に、そこを場所として、スペースとしてお借りするんじゃなくて、片っぽではお風呂に入るということも、いわゆる介助が必要な方じゃなくて、自力でお風呂に入れる人は、そこで人と触れ合うことによって認知症予防にもなり、介護予防にもなるという趣旨で、お風呂に入るということを目的としながら、そこの施設を利用できれば、よりいいんではないかと思います。

部長、お話あったように、ご検討、ご研究いただいて、ぜひそのような利用ができるようにお願いしたいと思います。

イベント会場としても利用できる銭湯
また、その企画でご紹介いただいたように、ただ単に営業施設としての銭湯を応援しようという側面も大事だと思うんです。いわゆる銭湯はお風呂に入るところですが、私も若いころお風呂屋さんを借り切って、何か結婚式の2次会パーティーをやって、そこでパイみたいのを投げ合って、ほら、みんな真っ白くなっちゃって、そのまま裸になってお風呂に入っちゃうというようなことをやったりとか、いろいろなことを考えられるんですよ、お風呂屋さんって。ぜひ、何かうまくお風呂屋さんにお客さんを動員できるような応援をして、市報に載せていただくということも一つでしょうし、さまざま古きよき昭和の形を残していただきながら、ご研究いただければと思います。

Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | 優しいまち-福祉