2022年08月31日

★市長の所信表明より/令和4年6月議会

市長の所信表明より

新庁舎ができて、フルに席を使って行政側も議員側も議会を行うのはとても気持ちがいいもので、緊張感あふれる一般質問となっております。しっかりと頑張ります。

それでは、通告に従いまして、公明党を代表し提案と質問をさせていただきます。初めに、市長の所信表明に対しての代表質問として何点かお伺いいたします。

役所改革について
まずは市長ご就任おめでとうございます。前市長のご逝去を受けての緊急登板となられたとはいえ、市職員としての行政経験と市議として培われた市民生活を守る行政の役割について知悉をされている本格派の市長の誕生です。満を持してのご就任、お待ちしておりました。

選挙戦の間、また、市長就任に当たり掲げられたことが行政改革と意識改革でした。もとより、年度予算の決まった後でのご就任ということで、限られた、おやりになりたい事業のうち、まずは行政運営の主体たる役所組織から手をつけられていくというのはすばらしい着眼点かと思います。

しかし予算とは関係ない役所改革からということではなくて、そもそも11年間の議員時代も、一般質問にて度々役所組織そのものについて問題提起をされてこられました。その意味では、予算がつく、つかない関係なく、何はともあれ役所改革は必ず最初に着手しようとの思いがあったことと推察いたします。

まず役所組織改革の上で、市長がお考えの役所のあるべき姿と、そして、それに比して清瀬市役所組織の現状、そして、その改革ポイントを伺います。

またこれから、市職員として求められる職員像について、市長は意識改革という言葉を使われていますが、具体的イメージについてお伺いいたします。

組織改編と目指すべき職員像について
続けて、組織改編と目指すべき職員像についてお伺いいたします。役所改革の一環として、まず市長は役所の組織体制のうち、企画部門をそれまでの秘書広報課を未来創造課へ、企画課をシティプロモーション課へと再編されました。

かねて私は清瀬市役所組織のうち、本市の今後の経営戦略をつかさどるセクションの設置と、本市の魅力をアピールするためのシティプロモーション部門の設置を提案してきました。言うまでもなく、行政事業とは安心・安全な市民生活のための制度をつくり、そのシステムを円滑に回していくことです。市民からお預かりした税金をもってその事業に当たり、できる限りの最少の経費で、望まれる最大の効果を得るべく、効果的な業務の遂行を模索しなくてはなりません。

民間会社のように利益の創出を目的としていないというその性格上、役所組織自体を大きくしていくことは求められていない。もっと言えば、市民生活を円滑にしていくための決まったルーティン業務を事故なく回すことが最も求められている役所の仕事です。

とはいえ近年、地方自治体組織であっても経営破綻に陥り、また今後の人口動態によっては消滅可能性も取り沙汰されるようになりました。もはや潰れない組織として、これまでの業務を回していけばよいという時代ではなくなっています。その意味では、役所であっても人口増による市税収入の増加のためのシティプロモーションを含めた本市の魅力発信や、法人税収を得るために企業誘致など、今後の本市を発展させていくための必要な経営戦略をしっかりと描かなくてはなりません。

私は今回、市長によってつくられた二つの課の意図をそのように解釈いたしましたが、設立者である市長から、それぞれの課の設立意図とその機能についてお伺いしたいと思います。

あわせて、未来創造課の設立に当たっては、組織内公募による人選をされました。その人選に当たっての基準となったのは何だったのか。また、これまでの役所組織にはなかった、ある意味では、より専門性のあるコンサル的なスキルや能力が求められる部署の創出に当たり、このセクションで求められる職員像、求められる専門性についてお伺いをいたします。

今期の取り組みについて
所信表明に対する代表質問の最後には、今期の取組についてお聞きいたします。

先ほど申し上げたように、今年度は予算編成後ということもあり、市長の取組には制限がありました。その中でも、まずは組織と職員の意識の改革ということで、役所組織、チームの強化に着手をされました。こうした布石は来年度以降、または今期4年間、もっと言えば、より長期展望に立った市長のグランドデザインがあろうかと思います。

そこで市長のつくりたい清瀬市について、今後の展望をお聞かせいただければと思います。

あわせて、渋谷金太郎前市長の残された様々なレガシーのうち、何を継承されるのか。特に結核の清瀬として世界医療文化遺産について市長のお考えをお聞かせください。ご所見をお伺いいたします。
【答弁/澁谷桂司市長】
新庁舎が完成をいたしまして、市民の皆様にも大変ご好評をいただいております。本当に私どもといたしましても、またこれまでご理解をいただきました議会の皆様、そして市民の皆様に改めて感謝を申し上げる次第でございます。

役所改革について
市民の皆様にも喜んでいただいている中で業務をいたします私どもといたしましても、新庁舎にふさわしい働き方をするべきだろうと私は考えております。市民の皆様からお預かりした税金をより効率的、そして効果的な手段で、より質の高い行政サービスを提供していく。それが私どもに課された使命だと考えております。そのためには市役所の組織を改革し、本市の職員が働きやすい環境を整え、職員一人一人の生産性を向上させていく。そして、職員の意識を変えていくことが必要だと考えております。

山積する市政の課題を限られた財源と人材の中で、スピード感を持って解決していくためには、定型的な業務はデジタル化を進め、民間にお任せするべき業務はアウトソーシング化を図っていく。そして、それによって生じてくる職員を福祉や教育など、人が手厚く進めるべき業務やクリエーティブな業務へ集中させていくことが必要だと考えております。そうしたことにより、効率的で機能的な市役所の体制を整えていきたいと考えております。

求められる職員像
またご質問いただいております、求められる職員像といたしましては、一例を挙げますと、私がこちらの庁舎に登庁いたしまして、まず一つ驚いたのは、決裁が8割ないし9割が手書きで作成をされていたということであります。非常にデジタル化が遅れているという印象を持っておりますが、現在では手書きの決裁がほぼ9割近くまでがいわゆるデジタルな、パソコンを用いて作るですとか、そういう形体に変わってきております。

この先では、ペーパーレス化を行っていくなどの新たな取組が必要だと考えておりますので、こうした働き方改革の改善は、本来、職員自らが考えて実行していくものだと考えておりますが、現在ではまだそこのレベルに達していない部分があると私は考えております。

こうした意識レベルの改革を図っていく中で、いわゆる市役所の仕事というような発想だけではなく、自ら考えてアイデアを創出し、仕事をしていく。そんな仕事の仕方を念頭に置いていただきたいと私は考えております。

そのためには職員自らが自己研さんに取り組めるように、本市として、行政としての支援体制を整えていくなど、職員自身の意識改革を後押しする体制を整えていきたいと考えております。

組織改革について
次に、組織改革につきましては5月1日付で、企画部内の組織の再編と、総務部情報政策課をDX推進課に改編をさせていただいたところは、今、鈴木議員からご紹介いただいたとおりであります。
 持続可能な自治体経営を進めるためには、行財政改革を力強く進め、戦略的かつ実行力のある体制を構築する必要があると考えております。その司令塔の役目を担うのが、まさに企画部未来創造課であると考えております。

より実効性の高い組織にするために、未来創造課にあっては執務スペースを市長室に近い場所に移し、私と意思疎通を密に図りながら、新しい清瀬市を創造するエンジンとして機能するように期待をしているところでございます。

またこれまでの本市の魅力発信につきましては課題があると常々感じており、鈴木議員からも様々議会でもご提案をいただいているところでございます。これらにつきましてはシティプロモーション課を新設いたしまして、広報業務のほか、郷土博物館、市史編さん室をシティプロモーション課に組織することで、情報発信にとどまらず、様々なプロモーション事業の企画立案を行って情報発信力を向上していくと考えているところでございます。

新たに設けました未来創造課とシティプロモーション課の職員の公募制につきましては、新たな部署でチャレンジをしたいという職員のやる気を尊重しようというところ。それから、職員の持つ能力を十分に発揮していただきたいという思いがありましたので、そのような形で公募制という形を導入させていただいたところでございます。応募いただいた15人の職員の皆様とはお一人お一人面接をした上で、それぞれのその業務に対する思いですとか、意見をお聞きする中で選考を進めてまいりました。

未来創造課もシティプロモーション課も、市政全般に係る事項を取り扱うこととなりますので、それぞれの担当課との折衝ですとか、市民の方との意見交換、コミュニケーションが非常に重要なセクションとなりますので、市政の課題に関する考え方やコミュニケーションの能力などを十分に基準にさせていただきながら選考させていただいたところでございます。

この二つの課は先ほども申し上げましたが、今後の市政運営におきまして司令塔、また、エンジンといったような部分でございますので、職員には企画力や理解力、情報収集能力、そしてコミュニケーション能力といったようなスキルを高めていただく。そして、十分に発揮をしていただくということを期待しているところでございます。これらの能力につきましては、今の未来創造課、それからシティプロモーション課の職員のみならず、全ての職員に求められる能力でありますので、引き続き、全職員に自己研さんに努めていただき、組織の力を高めていきたいと考えております。

今後の取組について
次に、今後の取組といたしましては、まずは行政のデジタルトランスフォーメーションを推進していく。それに伴いまして、市役所の業務の生産性の向上を図るとともに、デジタル化によって誰一人として取り残すことのないように、きめ細やかな配慮をした上で人に優しいデジタル化を進め、市民サービスの向上を図っていきたいと思っております。

また、公共施設の再編ですとか、老朽化した施設の改修などにつきましては、現在改めて、市内の全ての公共施設を私自身の目で確認をした上で、将来人口を見据えた公共施設の再編を進めるとともに、老朽化、そして陳腐化をした施設につきましては利用者の皆さんのご意見や、またより気持ちよくご利用いただけるような工夫を凝らすとともに、安全で安心してご利用いただけるよう、それぞれの施設、また部門について優先順位をつけた上で改修などを進めていきたいと考えております。

また、所信表明で申し上げておりますが、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロといたしますゼロカーボンシティの実現を目指してまいりたいと考えております。来年度には、地球温暖化対策実行計画の区域施策編を策定いたします。昨年度改訂をいたしました同計画の事務事業編とともに、市民の皆さん、事業者の皆さん、そして、私ども清瀬市が一体となって、この取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

また清瀬市があらゆる差別のない、全ての人に優しいまちであるために、SDGsの実現に向け取り組んでいきたいと考えております。今後は国が進めるSDGs未来都市への採択を目指し、さらに具体的な施策を計画していきたいと考えております。計画がまとまった段階で、また議会の皆様にはご提案をさせていただきたいと思っております。

安全で安心なまちづくりにつきましては、引き続き重要な課題として取り組んでいきたいと思っております。清瀬駅南口の児童館の整備や都市計画街路の整備など、公共施設の整備、再編にも引き続き取り組んでまいります。さらに清瀬駅、秋津駅周辺の再整備に向けた検討を進めるなど、まさに清瀬市の未来の創造に向け、全職員が一丸となって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

また、清瀬と結核医療の尊い歴史に関する取組につきましてもご質問をいただいております。渋谷金太郎前市長が様々な場面で清瀬と結核医療の尊い歴史についてお話をいただいておりますことは、皆様十分にご承知のとおりだと思います。

この清瀬市の魅力につきまして、一つ注目をされるようになったことは、前市長のたゆまぬ努力のたまものでありますし、私もこの志をしっかりと引き継いでまいりたいと思っております。これにつきましては引き続き結核予防会などと連携するとともに、清瀬市と同じ、結核医療の歴史を持つ同様の自治体とも連携をした中で、新たな施策、取組が構築できないか、現在模索をしているところでございます。

市長就任にあたりいきなりあれこれではなく少しずつやって行く
ご答弁もろもろいただきました。基本的には所信表明でお話しされたことをもう一回なぞらえたことということで、市長は今回就任されるに当たって、本当はもっといろいろ手を付けたいことがたくさんあったんだろうと思いますが、もう今や市長はニュー澁谷桂司として、もう今、市役所のボスとして、これ言ったら職員の方、ちょっと気を悪くされるかもしれないなということは言わない。私そこはすばらしいと思いますよ。きっといろいろな意味で、ソフトランディングというか、静かに積み上げてくる方式を、何か後ろの課長たちが目が急にぱちっとされましたが大丈夫ですか。なっていくんだろうと思います。また、すごく期待をしています。

行政ではあまり聞かない“クリエイティブ”
今回の市長の所信表明に、私行政に入って議員になって12年目ですが、なかなか聞くことがあまりなかった言葉にクリエーティブという言葉があるんですね。私は何度も言っていますが、前職はずっとそっちの企画の世界にいたので、クリエイティブな世界にいたんですよ。でも役所というのはさっき申し上げたように、事故をしないということが大事なので、事故しないということはある意味ルーティンをきちんとやることだから、クリエイティブなことというのは事故はつきものなんですよ、冒険だからね。だからある意味このクリエイティブなことを求めるというのはちょっと、何ていうか非常に難しいんだろうなと思うんです。

今までの“お役所仕事”とは違う役所業務を目指す
そういう意味で、私この未来創造課というのは、市長がいみじくも言われた、今までのお役所仕事とは違う新たな組織体になっていくんだ、経営戦略を考えていくんだ。もっと言ったら、市税、税収というもの、税外収入も含めてですが、収益を求めていくという観点も持ちなさいよということなんだと思うんですね。そういう意味でのクリエーティブさというのをまずは求められるのはこの未来創造課なんだと思うんです。市長に聞こうと思っていたことは無理でした、50秒ですので。

今般、12名の方が申し込まれて、数少ない方が未来創造課になられました。私はこれ、市長が言われたように、司令塔であり、エンジンである。この市長の分身としてのこのチームだと思うんですね。清瀬市役所を今後どうしていくか、清瀬市をどうしていくかということを考えていく司令塔。市長の分身としてのこのチームだと思っているので、今回、残念ながら漏れた方も、役所は異動がありますから、ぜひまた市長のそこのチームに異動のときに入っていただいて、ある意味、人材育成の場だと私は思っていますので、しっかり市長に鍛えられて、また清瀬市発展の人材として各部署に戻っていただける、こういうチームになるように念願をしております。期待しております。

Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | 行政改革