2024年05月04日
★代表質問/これからの図書館について/令和6年3月議会
図書館とは
今議会において、図書館設置条例の条例改正の議案が出されていますが、それに関連して行政における図書館事業の本来的な意義についてから、様々お聞きしてまいります。
そもそもなぜ公立図書館はあるのでしょうか。
図書館では、市民である限り、所蔵されている本や資料を無償で閲覧、借りることができます。なぜ無償で借りることができるかといえば、経済的な理由によって知識情報の取得に制約があってはならないという意味だと個人的には解釈しています。
思えば私たちは小中学校を通じて大学に至るまで、その学習環境においては、常に図書室という図書館機能があり、特にお金のない小中学校時では、図書室の本をわくわくしながら選び借りた思い出があります。
しかし長じて、社会人となり、自分のお金が使えるようになって以降は、特に私に限って言えば、図書館に行ったことはただの一度もなく、議員になってから、図書館では本が無償で借りられることに改めて驚いたものです。
無論図書館の意義は、無償で貸し出すことだけを意味するものではありません。
それでは、図書館とはそもそもどんな背景で造られたか。そしてまた、今日的にはどんな意義があるのかお伺いいたします。
今回提案されている議案では、現行の市内6か所の図書館が、駅前図書館と現在進行中の南部図書館の二つに整理される議案が出されています。
行政改革の一環としての統廃合
私は公共施設の再編、統合の観点で言えば、清瀬市公共施設等総合管理計画にも示されているとおり、学校への集約拠点化に向けて、学校再編の状況を踏まえながら、小学校への統合、施設複合化や、予約、貸出し機能の設置の一環ともいえ、しかるべしと思っています。
とはいえ、地域拠点としての学校施設への集約化は、まだ始まっていない現状で、図書館施設が先行実施されるのは少々無理があるのではとも思っております。
上程されている内容では、来春、令和7年から1年弱、南部図書館ができるまでは駅前図書館1館体制、再来年、令和8年の初頭の南部図書館完成後からは2館体制になるとのことです。
図書館閉鎖の代替としての配送サービス
図書館の施設としての数が減少することに対する代替策としては、配送サービスをご検討とのことですが、これは現在ご利用いただいている方に対するフォローとともに、議案第17号資料にも書かれている図書館の現状のうち、地域間格差、つまり住んでいる場所によっては図書館が利用しにくいということから、地域の図書館をなくしてしまうと、ますます地域間格差が出てしまうということに対する代替策であろうかと思います。
私は代替案としては、もちろん宅配もあっていいと思いますが、やはり本来の学校施設への集約化の流れで言えば、学校図書館の地域コミュニティ施設として開放するという方向で、地域間格差を解消してほしいと思います。
いずれにしても、人の集まるところに人は行くという人間の行動様式、また人は人と会うことで元気になるということからも、在宅で事足りるサービスではなく、人と会うこと、出かけることを本市は推奨していくべきです。
とはいえ経済的理由、ないし身体的理由で出歩けないという場合もあります。その意味では、宅配というサービスそのものを否定するつもりはありませんが、そうした制約のある方、またそれ以外の方にはある一定の費用負担を生じさせるべきと思います。ご所見をお伺いいたします。
【答弁/南澤志公教育部長】今日実は図書館事業と学校がメインだったんですよ。これ絶対ボリュームがあるので後回しにしたら、あと30秒です。またこれは予算特別委員会で、ちょっと別枠でやらせていただきます。
図書館の社会的意義の変遷
図書館法においては、図書館は、図書、記録、その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設であり、そのサービスは市民の希望に沿い、学校教育を援助し、家庭教育の向上に資することになるよう留意して行うと示されています。
また、教育基本法の理念である教育の機会均等に基づき、公立図書館は入館料、その他、図書館資料の利用に対するいかなる対価も徴収してはならないとされ、全ての国民が貧富等により利用に制約を受けることのないようにされているものと認識しており、このような図書館の意義や在り方は変わらないものと考えております。
地域図書館の体制の見直しと宅配サービスについて
次に、いただいたご質問の、地域図書館の体制の見直しと宅配サービスについては関連がありますので、併せてお答えさせていただきたいと思います。
近年、図書館の利用状況は、貸出し者数、貸出し点数とも減少傾向にあり、この1年間に図書館の資料を一度でも借りてくださった市民は1万人を下回る人口の約13%にすぎません。また、社会に大きな影響を与えたコロナ禍において、本市は一時的ではあったものの、図書館を閉める選択をせざるを得なかった期間があったほか、利用者の感染リスク回避によっても利用は減少しました。
これらのことについて本市は、市民の皆様から託していただいた税を原資とする公共サービスの在り方を改めて考える機会として、また、図書館が社会的な意義を果たしていく上で立ち返るべき教訓として捉え、より多くの市民の皆様に活用される図書館、また、サービスを持続的、安定的にご提供できる図書館を目指すことが必要だと考えています。
一方、市民の生活のスタイルの変化や様々な分野での技術革新などにより、図書館に対する市民のニーズは変化しています。
市政世論調査や行政評価アンケートでは、図書館に対して資料の充実を望む、従来からのご要望に加え、電子書籍の充実、スマートフォンやホームページを活用した予約サービスの充実、貸出し図書の宅配サービスなどの回答が上位にあり、来館しなくとも本が借りられる環境整備が求められていると分析をしております。
このことを裏づけるかのように、インターネットによる予約サービスについては、10年ほど前と比べ倍増しています。読みたい本をあらかじめ予約し、ピンポイントで図書館にお越しになり借りて帰るという図書館の利用の仕方が増えていると言えます。
このような状況を踏まえ、本市はより多くの市民に図書館の資料を活用していただける仕組みとして、市民なら無償でご利用いただける本の宅配サービスを導入したいと考えています。このサービスを通じて、パンデミックのような状況が再び起きたとしても、市民にサービスを提供し続けられること。また、図書館に行くための時間の確保ができない方や、交通アクセス、年齢的な問題などから図書館に行くことが難しい方々にとって、図書館がより活用しやすくなる環境づくりを進めてまいります。
本定例会に上程させていただきました、図書館設置条例の一部改正による図書館の2館体制は、さきに申し上げた取組の実施に必要な環境を整えるためご提案させていただいているものでございます。
とは申し上げましても、議員からお話がございました、学校施設に地域レベルの公共施設の機能を集約し、コミュニティの拠点としていく考え方は、本市の公共施設再編計画に掲げる基本的な考え方でございます。
その実現には様々な課題がありますが、長期的な視点で考えていきながら、現在取組を進めております新校の整備など、実施可能な機会を捉えて公共施設マネジメントを適切に進めてまいりたいと考えております。
Posted by takosuzuki
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