2024年06月21日
★総括質問/これからの図書館事業について/令和6年度予算特別委員会
清瀬市の図書館事業の大改革
教育も今般、小中連携教育ということで大きなかじを切った。そして、図書館事業も今般議案として出されているように、大転換をされるということでございます。6館あった図書館が大きな二つの施設に集約されるということでございます。
行政に図書館設置の義務はない
私が代表質問した日の読売新聞に、いみじくもというか図書館の記事が出ていまして、その中では、利用者の少なくなった宮崎県都城市の図書館をリニューアルして機能拡張しにぎわいの拠点として生まれ変わった、利用者も大幅に増加したという記事でありましたが、その記事自体には私も大変刺激を受けましたが、もっと驚いたのは、行政に図書館の設置義務はないと書かれていたんですね。そうなのかと私は思ってしまいました。
そのなかで図書館事業をやっていく意義
今は人々というか市自体が貧しくて本も買えないという時代ではない。そもそも財政の厳しい清瀬市が無償の図書館事業をやっていくことの意義、そして今後、本市としてしっかりとこの図書館事業をやっていくのかどうかということをお聞きいたします。
私自身は、図書館と本屋さんというのはやはり清瀬市、または地域の知的レベルを表す水準だと思っていますし、子どもの頃から、どんなにお金がなくても本代はけちるなと親に言われていましたので、本屋さんも図書館もしっかりと守っていくべきだと私は思っています。
とは言っても、清瀬市が貧しいというのは片っ方では現実ではありますので、その意味で、6館ある図書館を二つに統合していくというのは私はやむを得ないことだと思います。
指定管理にしてにぎわいや憩いの拠点に
とは言ってもただ、今の現状の図書館事業が二つになった、ただ小さくなったということだけでは意味がないと思っています。また、図書館事業を指定管理者制度にしていくということは大変すばらしいんですが、やる事業体が本市が直営じゃなくて民間にやってもらうということだけで、システムそのものは変わらないということであるならば、それもあまり意味がない。図書館が今回新聞にも出ていたように、にぎわいの拠点になるとか、憩いの拠点になるとか、そういうことによって利用者が増えていく。これまでにない機能がそういうことで付加されていくということができる指定管理者をぜひ選定してもらいたいと思っています。
今般、南口児童館及び図書館複合施設として建設されていますが、その意味では、つぶさに精査しないと分かりませんが、蔵書の数も少し減ってしまったりとかある。そういうところで私懸念があるのは、ちょっと中途半端になって、どちらも食い合ってしまうような状況が、掛け算になってより大勢の方に来ていただくということになればいいんだが、そうならないかちょっと心配をしています。
その意味ではいい指定管理者さんに入っていただいて、すばらしい図書館になってもらうのが一番いいと思います。もろもろありましたが、以上何点かよろしくお願いいたします。
【答弁/南澤志公教育部長】図書館事業は今後も継続する
図書館の意義
初めに、図書館の意義でございます。
過日法令的な視点からご答弁申し上げたところでありますが、本市ではその考え方を基本に置いた上で、さらに、資料や情報を市民の皆様にご提供することを通じて、市民の皆様の読書、学習、調査といった活動の充実につなげてまいりたいと考えておりまして、その考え方を長期総合計画の中にもお示しをしているところです。このように生涯学習活動を支援することで、市民の皆様の生きがいのある生活、心の豊かさを実感できる暮らしにつながりますよう、情報拠点としての図書館サービスの充実に努めてまいります。
指定管理について
さらに、指定管理者のことについてもお尋ねいただきましたが、近隣市におきましては、指定管理者制度の下、管理運営をしている図書館が増えてきておりまして、いずれの図書館も、これまでの考え方に沿って、それをさらに発展、充実するような取組が行われていると聞いております。そうしたことから、本市におきましても、今後さらに、清瀬市の図書館のサービス水準の維持向上につなげていくことができるのではないかと考えておりまして、そういった取組をしていきたいと考えております。
委員から、かねてから図書館の活性化について様々なご意見をいただいておりますので、そういった考え方も選定の中に生かしていくことができればと考えております。
図書館事業というのは清瀬市のしっかりとした基幹事業ですから、今後もずっとやっていきますという話でした。
子どもたちは学校の図書室をしっかり使ってほしい
私は学校の勉強というか、日本人としてやはり一番大事なのは国語だと思っていまして、日本語というのは世界のいろいろな言語の中でもかなり難しい言語です。それと同時に、すばらしい言語だとも思っています。この難しい言語であるからこそ、学齢期においてしっかりと勉強してもらいたいとは思っているので、まちの図書館同様、学校の図書室もしっかりと子どもたちが、そして市民が利用していただけるようなものになるといいなと思います。
これからの図書館は集いの場、憩いの場としてブックカフェ化せよ
その意味では先ほども申し上げましたように、ただで本を借りられる、お金がなくて本を買うことができないという時代じゃもうないので、図書館のやはり指向性も、ただで本を貸す、ただで本を見てもらうというだけではなくて、議員時代の市長には神奈川県海老名市の図書館に一緒に行っていただきました。ツタヤが運営している図書館で、スターバックスが漏れなくついてくるという形態でありました。そこでは当然のことながら、コーヒーを飲みながら借りた本を読めるし、今図書館は駄目ですね、飲食しながら読んじゃいけないと思いますが、それがコーヒー飲みながら読んでいいし、場合によったら買って帰ってもいいという制度になっています。
であれば、やはりもういろいろな人でにぎわっている。ただ単にコーヒーを飲みに来る人だけもいるし、そこの海老名市の図書館は3階が事業体を改装して、プラネタリウムだったところを図書館にしたもんですから、最上階にある、3階にあるプラネタリウムなんて丸い天井のところには子どもスペースになっていて、絵本とかそういう児童書がいっぱい並んでいる。児童書を見なくても、そこで遊べるという空間になっている。だから子育て世代も来るし、ビジネス世代も来るし、ちょっと格好いいお昼のコーヒータイム取りたい女性もいっぱいいるしというところでした。こういうふうに機能を今までと違うものにしていかないと、駄目だということがあります。
駅前図書館も指定管理になるのか
さっき教育部長から指定管理のお話いただきました。今後、南部児童館そのものは、恐らく指定管理になっていくために今回条例改正ということなんだと思うんですが、今後、2館体制になって、駅前図書館と南部図書館、南部図書館を指定管理するにしても、駅前図書館はどうなるんですかということもお聞きします。駅前図書館も指定管理になるのかどうか。
やはり指定管理になって、先ほど来申し上げているような業態を持った指定管理者さんが入ってくれれば、やはり駅前図書館であれ、南部図書館であれ、活性化していくんだと思います。それにはちょっとスペースが狭い気はしますが、駅前図書館も。
ただ、駅前図書館は、前コーヒーショップというかカフェスペースがありましたよね。外が見える。駅前、ロータリーが見えるね。あそこ多分今使っていないと思うんですが、ああいうところもぜひ使ってもらうような形態で、指定管理が入ってくれるといいなと思います。
電子図書館にも注力を
その意味では図書館事業そのものも、デジタル電子図書、それからオーディオブック、これもフルに活用していただいて、従来の図書館とは違う形態を目指していただきたいと思います。電子図書そのものはもう現在も使われていると思いますが、電子図書の利用状況、これもお伺いいたします。何点かよろしくお願いいたします。
【答弁/南澤志公教育部長】指定管理者の件でございます。行政として管理運営する図書館は、2館と電子図書館
南部あるいは駅前、2館に導入していくことができればなと思っております。条例改正をお認めいただけた暁には、すぐにそういった選定について動き出していきたいと考えております。
委員から、かねてより図書館の活性化に向けて、民間事業者のアイデアを生かした図書館づくりのご提案を受けております。そのようなアイデアを事業者さんのほうから引き出していただけるようなやり方で選定していきたいと思っておりまして、プロポーザルのような形で選定をしていければと考えているところでございます。
あと電子書籍の利用状況についてお尋ねいただきました。
電子図書につきましては、現在、8割程度がコミックのようでございます。一般的な本の電子化は、まだこれからといったところもございます。
今後は、そういったコンテンツも増えてくると思いますので、そういった状況を踏まえながら、充実に向けて検討していきたいと考えております。
何度も何度も言うように、もう業態は変わってきます。機能は変わってきます。だから、これからの図書館は、施設としての図書館2館、駅前図書館と南部図書館、これをしっかりと充実させていく、機能を変えて。そして、電子図書館というのは電子書籍、そしてオーディオブック、これは施設を介さない。自宅で閲覧できる、または自宅でダウンロードして聞ける電子図書館。
3つめは市民による地域文庫
そしてまた、私三つ目として、老人いこいの家とか、そしてまた各校の各地域地域にある小学校の図書室、または再編統合の結果、中学校が中心になるかもしれませんが、学校にある図書室を地域のにぎわいの場としていく。
いこいの家も、今はいこいの家に集われている高齢者の方々は、持っている自分が読んでよかったなと思う本を持ち寄って置いている。あるいこいの家によっては、もう本棚にばっと本があるという状況になっているそうです。
また市のシニアクラブ連合会では補助金を使って買った本を各シニアクラブに配付しているということもあるそうです。だからそれはあくまでも行政によらない、市民本位のものになりますが、そういう地域地域の私は文庫とそれは位置づけますが、文庫、電子図書館、正規の施設型図書、この三つ、三本柱でぜひやっていっていただきたいと思います。
漫画も図書館には必要。ただし電子図書館で。
それから、電子図書館についてもコミックが多いという話でしたが、私はコミックもぜひ入れてもらいたいです。私今は、それこそ週1ペースで本を読んでいますし、もう気に入ったほうがブログアップするほど本は大好きですが、子どもの頃は漫画ばかり読んでいました。漫画といえどもこれは活字ですから、やはり活字に触れる子というのは長じて、しっかりと本に戻ってきます。だからぜひ公序良俗に反しない成人漫画じゃないもの、しっかりと三国志とか横山光輝三国志、ドラえもんだっていいと思いますよ。
いろいろな本、漫画があっていいと思いますので、とはいえもうおっしゃったように、漫画というのは切りがないんで、物すごい数になってしまうんで、それはもう漫画はもう電子図書にしてしまうとか、本当に選んだ形で漫画はぜひ入れてほしいと思います。
野塩地域センターの今後
それからもう一つ、野塩地域センターなんですが、今回、指定管理化が始まりました。それで改装期間を経て、今週からサロンができました。見に行ってきました、ありがとうございます。ただやはり図書館のサロン代わりとして、あそこだけがサロンですよと言ったらちょっと狭いというか、三つテーブルがあるだけなんで、あれじゃちょっときつい。
野塩図書館の後は閉庫書庫にしないで使える施設として残してほしい
今後野塩地域図書館がなくなった暁にあそこは完全な書庫になる。閉庫書庫になるということで、あれがクローズになってしまうというのはあまりにも、立地から考えるともったいない気がします。駅近であり、そしてまた地域のシニアクラブ、大変市内でも活発に動いていらっしゃる長生会やむらさき会があるような地域でもあります。閉庫書庫は、もっとあんまり人が往来しない、倉庫だけで使えるようなところに移していただいて。あそこはましてや投票所にも使っていますから、ぜひとも閉館の暁には、今の野塩地域センターの1階スペースは、もうちょっと有効利用できるような形でぜひお願いをしたいと思います。
最後時間が余ってますので、教育長、そして市長。ご初見を伺います。
【答弁/坂田篤教育長】
図書館について、私からも総括的に教育の観点からご答弁を申し上げさせていただきたいと思います。
こういう名言がございます。食は体の栄養、本は心と頭の栄養、食べねば体は育たない、読まねば心と頭は育たないという名言があります。
また、私以前参加した講演会で講師の先生がこんなことをおっしゃっていました。国を潰すには兵器は要らぬ、民から本を奪えばそれでよいと。これどういうことかというと、読書は人の生きざまに大きな影響を与え、それがひいては文化を発展させ、これは国のありようにも大きな影響を与えるという教えであると私は受け止めております。
にもかかわらず、我が国の国民全体の読書離れは非常に深刻な状況に陥っております。直近の文化庁の調査では、16歳以上の国民のうち、1か月に全く本を読まない不読者、不読率の割合が何と47.3%とデータとして挙がっております。また、以前よりも読書量が減っているという回答が67.3%に挙がるというデータもございました。
本市の子どもたちにおいても、令和5年度の学力調査の生活実態調査において、学校以外で読書を全くしないと回答した小学生は25.5%でございます。これは都平均を上回る形でございました。中学生は32.6%、こちらは都平均を下回っております。
そして、本を読まない理由について問うたところ、本に興味がないがトップではありましたが、その次に来るのが読みたい本がなかったから、また、本を読む時間がなかったからという回答が続いております。
これはあくまでも小中学生の調査結果でございますが、今次教育委員会において、図書館活用に関する市民の意識実態の分析を行った中でも、小中学校と同様、時間的な課題を挙げる方が非常に多うございました。また、交通インフラなどの課題、もしくは利用者の年齢的な問題が指摘されていて、これは図書館の利用をちゅうちょさせてしまっている一因であるということも明らかになりました。
教育委員会として、子どもたちへの働きかけはもちろん、市民の方々に対しても、図書館活性化の取組を進めてまいりましたが、分析結果で出された時間的な課題、また、交通アクセスなどのインフラ面での課題、もしくは年齢的な課題という工夫、改善では十分に対応できない難しい課題でございました。
しかし、我々は白旗を上げることはできません。なぜならば、読書は人の生きざまに大きな影響を与え、文化をつくり、国のありように大きく影響を与えるからでございます。
もしも現状のシステム、そして、今のシステムの上で成り立つ工夫、改善では課題解決が難しいのであれば、新たな仕組みを創造して適用することで、課題解決に向けたあくなき挑戦を続けていくことが我々の使命であると強く信じて疑っておりません。
既に繰り返しご答弁申し上げております本の宅配サービスにつきましては、私たちが考える課題解決のための新たな取組、仕組みでございます。この仕組みを活用することで、小中学生にとっても、また、市民にとっても、読みたい本にアクセスしやすくなるという利点であったり、また、電子による手続で本を借りられるという時間的な課題について解決する一つの方策であったり、また、高齢の方々にとっては図書館まで足を運ぶ必要がなかったりと、図書館の活用、ひいては読書文化の発展、充実につながるであろうということを期待しているもの、いや、そうしなければいけないものであろうと考えております。
終わりになりますが、いかなる優れた施策であっても、課題は必ず内在するという言葉がございます。これはまごうことなき真実でございます。これは前段で答弁申し上げました学校教育制度、小中一貫教育、義務教育学校においても同様でございます。課題は必ずございます。我々は最善とする施策を進めつつも、その中に介在する課題を一つ一つ根気よく丁寧に解決することで、これからも子どもが育つ、市民が育つ、まちも育つ、清瀬市の教育の実現に努めてまいりたいと考えております。
【答弁/澁谷桂司市長】
先ほど教育委員会から、図書館のことにつきましてご答弁申し上げておりますが、私どもこれまで6館体制で運営をさせていただいておりますが、6館の運営で、これは人件費もしくは必要経費全て含めてですが、大枠で約4億円かかっております。私ども毎年その4億円のサービスを市民の皆さんに提供させていただいているわけですが、これは担当部長答弁でも申し上げておりますが、非常に限られた市民の方にしか、残念ながらご利用いただけていないというのが現状であります。
言わずもがな、4億円の運営費というのは、7万4,000人全ての市民の皆さんの中で、担税力のある方からお納めいただいているという原資を基に4億円の運営をさせていただいておりますので、これは広くやはり市民の皆さんにご利用いただきたいというのが基本的な私どもの考え方であります。そのために今回、様々ご提案をさせていただいているところであると思っております。
先ほど委員から地域文庫の話がございました。かつて中清戸にも地域文庫というのがございましたが、残念ながらご利用の方が少ないということで、現在はなくなってしまっております。
市内で唯一、私が知る限りでは、地域文庫が残っているのは旭が丘であります。旭が丘に地域文庫というのがありまして、これは本市の図書館運営と全く切り離された、別のところで、市民の皆さん、住民の皆さんが自発的に活動されている文庫でありますが、非常に地元のお子さんたちもご利用されているし、今でもそういう形態が続いているということであります。これは私ども非常にすばらしいことだなと思っておりまして、まさに都市格の高いまちづくりというのはそういうことを言っているのかなと、改めて私ども認識をしているところであります。
委員からご提案いただきましたとおり、我々が提供する公設の図書館というのは、引き続きサービスを維持していきたい、もしくはそのサービスのレベルアップを図っていきたいと思っておりますが、それ以外にも学校の図書館、もしくは、今ご提案をいただいております地域文庫みたいなところのそれぞれの役割を地域で果たしていくというのが全体的な清瀬市内の都市格の向上につながっていくことだろうと思っておりますので、私どもとしても、そういう方向で取り組んでいきたいと思っております。
るる申し上げましたが、たくさんの課題があります。私どもそれぞれに一つ一つ向き合って取り組んでおりますが、世の中がこれだけスピードを持って早く変わっている。もしくはその世界全体が非常にスピードで変革をしている中で、私ども行政サービス、もしくはその行政が提供するサービスについても、やはりその時代に合ったサービスの提供の仕方というのを常に研究をしていかなければいけないことだろうと思っています。それにつきましては、何か一つの対策、もしくは一つの施策で全てに対応できるということではなくて、複数の施策を複合的に組み合わせて、総合的に対応していく必要があるだろうと私ども思っております。
そんなことで今回予算をご提案させていただいておりますので、ぜひともご理解をいただきたいと思っております。
【関連】
★代表質問/これからの図書館について/令和6年3月議会
Posted by takosuzuki
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