2025年03月24日

★電子図書館の広域運営を/令和6年12月議会

電子図書館の広域運営を

公明党の図書館事業に対する提案
今般の本市の図書館事業の大幅改変は、激変する社会情勢とともに、多様化する市民ニーズに合わせて行政サービスは適正効率化されるべきとの観点から妥当であり、また私どもとしても、リアル図書館、電子図書館、地域文庫と三本柱で運営していくべきと提案をしてまいりました。

そして私としては、この間、リアル図書館については、飲食禁止の環境の中で静かに本を読む場ではなくて、ブックカフェとして飲食できるスペースもあり、憩いのスペースでもある図書館にと、また地域文庫については、地域における読書文化の増進のためにも、いこいの家や地域市民センター、学校図書室などを利用した市民の手による地域拠点にと、定例会にてこれまで提案をさせていただきました。そこで今回は、電子図書館についての提案です。

電子図書館の充実こそこれからのニーズ
言うまでもなく電子図書館はインターネットを通じて24時間365日、いつでもパソコンやスマートフォンから読むことができる、まさに今後さらに発展していくネット社会にあって中心的な読書ツールとなり得るサービスです。

そして、電子図書館はリアル書籍ではなく、電子図書をもってその蔵書とするため、物理的な施設を造る必要がなく、物理的な書籍のやり取りもありません。そして新たな図書館サービスとして、音声による朗読書籍、いわゆるオーディオブックの提供もできる、まさにこれから最も望まれる図書館の在り方でしょう。

その意味では、図書館に宅配サービスを加えたとはいえ、リアル図書館を2館にしたのですから、電子図書館をより充実させていくべきと考えます。そしてこれ以上の予算をつけてのサービス拡充も現実的ではありません。

そこで、電子であればこそできる効率的な近隣自治体との共同運営をしてはいかがでしょうか。まず電子図書館の仕組みについて、そして電子図書館を共同運営している事例はあるかと併せて、共同運営の可能性についてご所見をお伺いいたします。

【答弁/南澤志公教育部長】
電子図書館とは
電子図書館とは、電子書籍の貸出しや返却、検索、閲覧することができる図書館サービス自体を指したり、そのサービス提供の基盤となるプラットフォームを指したりしていることもあります。

議員からご紹介いただきましたとおり、電子図書館は利用者の皆様にとって図書館の利用者登録をした後は、図書館に来館しなくても24時間365日いつでも図書館をご利用いただくことができます。また、紙の本で活字による読書が困難な方にも、読み上げ機能や文字の大きさの調整、色の反転などの機能により、読書を楽しめる環境をご提供することもできます。さらに、電子データのため、蔵書に要する物理的なスペースが不要となるほか、汚損、破損、紛失のおそれもなく、返却期日以後は自動的に返却されるので延滞されることがないなど、管理運営する図書館にとってもメリットがございます。

主な事業者
現在提供されている電子図書館のプラットフォームとしましては、株式会社図書館流通センターが提供するLibrariE&TRC−DL(※以下、TRC)や株式会社メディアドゥが提供するOverDriveが広く知られています。

いずれのシステムも、電子図書館のサービスをご提供するための基盤システム環境の使用料が月単位で発生するとともに、個別の書籍を貸し出したり閲覧するための使用料が一つ一つのコンテンツに対して発生いたします。

電子図書館の共同運営・全国の事例
次に、自治体間の共同運営による電子図書館の事例でございますが、全国的に確認することができます。

例えば長野県では、市町村と県による協働電子図書館デジとしょ信州の取組が令和4年8月より進められています。電子図書館のプラットフォームは県立図書館で維持し、電子書籍の購入は77市町村で分担して購入していると聞いています。

また近隣では、埼玉県の比企広域電子図書館比企eライブラリという取組もございます。こちらは東松山市と比企郡の滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉見町、ときがわ町の1市6町によって令和4年9月から運営されています。

いずれの取組においても、構成自治体の財政負担、また、事務負担の軽減を図りながら電子図書館サービスの充実につなげた好事例だと見ております。このようなことから、広域連携による電子図書館運営については、今後研究してみたいと考えております。
電子図書の進展は時代の流れ
私も趣味は読書なんですね。私はやはりリアル本がよくて、電子のつるつる感じゃなくて、肌触りのページ感とか、そういったものがやはり私はいいんで、デジタル図書、電子図書そのものについてはあまり推奨はしないんですが、ただ自分の余暇というか、持て余した時間を使う。例えば通勤通学の時間なんかで電車に乗ると、私は電車に乗りませんが、大体、昔は本読んだり新聞読んでいる人が大勢いましたが、今はもうみんなスマホを見ている。本を読む人なんてほとんどいないという、これはもう時代の推移なので、不可逆的なものですから、リアル本を読めと言ったところでしようがないし、または、スマホであれ、本を読むという行為そのものは決して否定されるものはないので、その意味では、今回大きな図書館事業の改編の中で、リアルの図書館というのが少なくなる。これはもう当然そうならざるを得ない、時代の推移から言えば。その反面で、電子図書館というのもしっかり整備していくべきじゃないかと思っています。

デジタル化が叫ばれたのは別に最近のことではないし、もう10数年たっていますね。携帯電話もそうだし、スマホができたのだってもうここ10年たっているわけですから。

清瀬市の電子図書館の現状は?
その意味で、今回清瀬市も電子図書館を整備されていると思いますが、清瀬市の電子図書館の現状、いつできて幾らぐらいの予算をかけてどれぐらいの蔵書があるかなど、そこら辺お分かりだったらご教授ください。
【答弁/南澤志公教育部長】
本市におきましても、コロナ禍を機に令和4年度から電子図書館を導入しております。今では一般書、文芸書、児童書、実用書にわたる分野の1万6,000点余りのコンテンツをご利用いただけるようになっております。プラットフォームはOverDriveを使用しておりまして、昨年度はシステムの使用料として39万6,000円、また、新たに導入した216冊分のコンテンツ使用料として54万9,000円余りを支出しております。

蔵書数は先ほど1万6,000点と申し上げましたが、現在1万6,355点でありまして、昨年度の貸出し数は1,347点となっております。
電子図書館
清瀬市の電子図書館のトップページ


今後は電子図書館に注力すべき
言うまでもなく、図書館というリアルな建物が要らないし、それからリアルな本も要らないし、そしてまたそこに従事するマンパワーも当然要らないわけですから、どう考えたって、今後は電子図書をしっかり充実させていくべきだろうと思います。

とは言え電子本は高いそうですね。リアルな本を1冊買うよりも、不思議なことに、リアルな紙がないのに、印刷もしないのに、スキャンニングする手間があるんですかね。1.5とか2倍ぐらいの価格がするそうです。

清瀬市の電子図書館の蔵書は少ない
私も清瀬市の電子図書館を拝見しましたが、これは読みたいなというのはあまりないんです。蔵書数やはりここは命ですよね。どんな本をそろえていくかというのは今後の命であります。

その意味では、いかに清瀬市として蔵書を増やしていくかということは、それはリアルな本じゃなくていいんだから、共同でやったほうがいいに決まっているというか、いいわけですよ。今1万6,000点というお話がありました。これ共同でやることによって、もっと数が増えるかもしれないし、効率化がいいに決まっているんで、今回の提案である共同運営、一部事務組合でやっていくような事例があるか。1回目の答弁では、長野県ではもう県を挙げてやられているそうです。いやもう言ったらそういう話ですよ。もう東京都を挙げてやってもいいぐらいな話ですね。東京都内では共同でやっているところはないそうですが、近隣では埼玉の嵐山町、小川町とかでやっていらっしゃるというお話でした。

これも調べたところでは、清瀬市そのものも令和4年に電子図書を始めたということですから、そんな前からやっているわけじゃなくて、このコロナ禍で、恐らく予算が在宅ということから電子図書の必要性があって、おととし始めたということでしたが、今回広域で電子図書館をやっている自治体についても、やはりおおむね令和4年あたりが多いようです。歴史からするとそんなに長い歴史があるものじゃない。

多摩六都の5市で電子図書館をやっている市は?
近隣を振り返って、この26市、または広域広域と言っていますが、多摩六都科学館がやっているぐらいですから、この多摩六都5市の中で、こういった事例が具体的にできるものなのか、他市清瀬市を除く4市の現状、ご存じだったら教えてください。
【答弁/南澤志公教育部長】
近隣の多摩六都の電子図書館の導入状況についてのお尋ねです。

5市の中では本市のほか、東村山市と西東京市が電子図書館を導入しております。プラットフォームについては、清瀬市においてはOverDriveと申し上げましたが、東村山市と西東京市においてはLibrariE&TRC−DLを採用しておりまして、そういった意味では少し異なっているということが言えると思います。
近隣市で電子図書館をやっているのは本市と東村山市と西東京市
5市では、東村山市と西東京市が清瀬市のほかはやっていると。だから東久留米市と小平市は電子図書館はやっていないという話でしたね。やっていないところにどうですか、一緒にやりませんかと言うのはいいことだというか、ハードルがちょっと下がってくるのかなと思います。

既にやっている東村山市、それから西東京市については、TRCのLibrariEをやっている。うちはOverDriveをやっている。だからそういう意味では、東村山市と西東京市は同じ業者さん、清瀬市はOverDriveで違うんですね。もしこれ、うちがTRC、図書流通センターのやっているLibrariEに入り直して、そして東久留米市と小平市に呼びかけたら、いわゆるプラットフォームとしては共同の物ができるということになっていくんだと思うんです。

運営会社変更によるデメリットは
だからそこら辺で、清瀬市としては2年たっているわけです、電子図書館をやってね。OverDrive製のやつをやっていて、今回例えば、OverDriveやめますと、LibrariEにしますよと言ったときに、そういう場合の何ていうか、一緒にやるとしたら当然そういう同じ業者にする必要があると思うんですが、そこら辺の損失とか、またはそういう実現可能性についてはいかがでしょうか。
【答弁/南澤志公教育部長】
残念ながら、システムが変わってしまいますと読めなくなってしまいますので、清瀬市はOverDriveですが、ほかのTRCに変えていくとなりますと、今まで読めていたコンテンツは読めなくなってしまうといったような状況でございます。
運営会社の変更によってこれまで購入した電子図書は読めなくなる
つまりこの2年間で蓄えた、いろいろ調べてみると、リアルの本と同じように購入するパターンと、購入して、その代わり何回読んでもいいんだよというパターンと、リアルの本の場合は本を買ってきて、本がぼろぼろに朽ちていくまで何回でも使えるわけだが、電子図書の場合は一旦買い取って、その買い取ったものをずっと使い回すという言い方は変ですがやっていくか、ないしは、制限があって、買い取るよりも安いが、その代わりこれ閲覧制限50回までしか見れませんよという二通りがあるそうで、この清瀬市の場合はOverDriveになって、この2年間買い取ったり、または契約がまだ残っている本については、当然契約が変えるんだったらそこではもう一切読めないよというお話、それはそうですよね。その代わり今度またLibrariEにしたら、その分読めるし、当然よその市で共同でやっていたものも、当然蔵書が増えていくことを前提なんだから、読めていくということもあり得るわけです。

運営経費が低予算で済む電子図書館
何度も申し上げているように、多摩六都科学館はリアルな建物を建てて、広域でやっているというのは柳泉園も昭和病院も同じですが、リアルな建物を建てて人を入れてということは一切ないわけですから、いわゆるプラットフォームだけで済む問題なんだと思います。

ただ簡単に一口にこう言っても、実際にやるには、例えばイニシャルコストがかかって、よくよく調べるとイニシャルコストが例えばリアルの施設のように、ばんと建てて何千万円もかかるとかそういうことではないようなので、イニシャルもランニングもほぼほぼランニングで済んでいくようだということも伺っておりますので、実際問題、現実問題やるとしたらどうなっていくのか、また市長の他市との交流の中でお話を進めていただければと思います。ご研究をよろしくお願いいたします。


Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | 学校・教育・子育て