2025年03月24日
★学校図書室の充実を/令和6年12月議会

ICTの時代にあって学校図書室の意義とは
今や学校現場ではGIGAスクール構想の下、タブレット端末を使ったICT教育が行われています。デジタル化の進む学校現場で改めて学校図書室の意義についてお伺いをいたします。
タブレット端末を使ってのメリットとして、児童・生徒にとってはタブレットを1人1台使えることで、映像や音声により紙の教科書よりも分かりやすく、そして理解も進むと考えられ、また楽しく学べることで、積極的、主体的な学びも促すと言われています。
反面タブレットよりも分かりづらい教科書による教育、つまり映像も音もない文字だけを追う教育が行われないことによる弊害もあるのではないでしょうか。つまり読書力が培われないということです。
そうした学校現場にあって、アナログな本を擁する学校図書室は今後どのような力を育む施設になっていくべきなのでしょうか。
適正管理されている清瀬市の学校図書室
今回市内のある中学校図書室に伺う機会がありました。その中で感じたのは、申し上げているICT教育の進む中、図書室は机や椅子、書籍なども老朽化し、まるでアナログな昭和感漂う空間だったことです。蔵書についてはきれいに管理されていて、本棚にきちんと整理されていましたが、いかんせん施設としての古めかしさ感は拭えませんでした。パソコン、スマホの生活にいる児童・生徒がどれだけこの図書室に引き寄せられているだろうかとも思いました。

施設の老朽化している市内中学校の図書室
その意味で今回、学校図書室の意義を再確認し、その上で施設面や蔵書面双方からしっかりと見直し、これからの時代に求められる図書室として、充実、再整備をしていってはいかがでしょうか。
そこで今回、学校図書室の意義について今後求められる図書室像についてお伺いをいたします。
【答弁/南澤志公教育部長】デジタルの時代の図書室とは
学校の図書室の意義
学校の図書室は、学校図書館法の規定により、全ての学校に置かなければならないものとされており、その目的については、図書、視覚、聴覚教育の資料、その他学校教育に必要な資料を収集し、整理し及び保存し、これを児童または生徒及び教員の利用に供することにより、学校教育課程の展開に寄与するとともに、児童または生徒の健全な育成を、教育を成就するということとされております。
現在、蔵書については、文部科学省が示す公立義務教育諸学校の学校図書館に整備すべき蔵書の標準に倣い整備しており、令和5年度末では平均で、小学校においては133.0%、中学校は112.7%となっています。
しかしながら、本市は数の充足の面だけでなく、子どもたちの読書意欲を喚起する資料収集を図っていく必要があると考えています。そのためには情報の変化が激しい分野の資料をICTの活用に任せ、歴史や文化、小説など、情報の変化が少ない分野に予算を重点配分したり、今後は学校図書館の選書に主体的に子どもたちに関わらせたりする仕組みもあると考えております。
施設としての図書室
一方、施設面で申し上げますと、子どもたちが本を読みたくなるような、またくつろげる空間づくりの工夫が各学校で取り組まれております。
例えば、造花などのインテリアを使用した空間づくりや、台座の上にクッションを置いたり、床にマットを敷いたり、ソファーを置くなど、特色ある取組がなされております。子どもたちはその空間で椅子に座ったり、壁に寄りかかったり、寝転がったり、狭いスペースに閉じ籠もったり、おしゃべりをしたり、それぞれが好きな方法で自由に読書の時間を楽しむことができるように図られています。
図書室の整備に当たっては、子どもたちの読書をしたい気持ちを損なわぬように、書棚をはじめとする什器、机や椅子などの老朽化にも対応していきたいと考えております。そのために地域から支援やご寄附をいただくといった例もありますが、本市といたしましては、まずは各学校の図書室内の整備状況を見る中で、使用に支障があるものについては、他の施設で不要にはなりましたが、状態はまだよく、学校での使用に適したものを転用するなど、工夫しながら備品調達を進めていきたいと考えております。
地域にとっての学校図書室
加えて図書室は、家庭、地域における読書活動を支援する役割も期待されていることから、児童・生徒や教員だけでなく、地域住民の皆様の文化施設として、有効な活用を図っていく必要もございます。
6月議会でご紹介させていただきましたとおり、現在、清瀬第六小学校では、学校運営協議会と六小プロジェクトXの皆様が企画運営するライブラリー&カフェが先進的に取り組まれており、この事業がさらに広がり、進化していけるよう、期待を持って注視してまいります。
デジタルの話さっきしましたが、学校現場がある意味、一番デジタルが進んでいて、ICT教育で生徒さんは1人1台端末を持っているわけですから、その意味で今回、図書室というところがある種、異空間になって、私はさっき申し上げたように、リアル本派なので、それはそれでとてもいいことなんですが、ただやはりICTそのものは、何度も私この件では、予算特別委員会などで教育長とやらせていただいているので、改めて申すまでもありませんが、デジタルまたはネットというのは必要以上に見せますよね。必要以上に教えてくれる。ネットは、要らないものまで教えてくれるんですよ。非常にそれはもう分かりやすくていいんだが、その過多な情報の中からどうやっていくかということが問題になっている。
一方で、本というのは、活字というのはやはりこれは一次元というか二次元というかちょっとよく分かりませんが、映像もない、匂いもない、音もない、何もない文字だけでもって自分の想像力を働かせながら、そこに書いてある文字情報の裏を読んでいくということは、やはり人間の頭脳にとっては一番いいんだと思うし、今般言われている図書館離れ、または読書離れそのものも、この教育分野、小中学校でいかに本を読むということの大切さを教えていけるかに尽きちゃうんだろうなと思います。
読書離れそのものについては、私ども公明党というのは前からこれは訴えていまして、いわゆるブックファーストとか、これはもう生まれたときに本をあげるという運動、これは斉藤あき子議員も何度もやっていますが、それから朝読書なんていう運動もね、これは公明党が全国展開でやっていきましょうよと言って、清瀬市もそうだと思いますが、朝読書は推進されていることと思います。地道なこういうことも一方でやりつつ、もう一つは、この図書室というのを今後どう使っていくのかというところが一番問題なんだと思います。
清瀬市の小中学校図書室の利用状況は?
今般の清瀬市の小中学校における図書室の利用状況というのはどんなものか、お分かりだったら教えてください。
【答弁/南澤志公教育部長】小学生は6割、中学生は4割が利用
ずばり図書室の利用状況といったところではお答えが難しいんですが、それに代わるようなデータをちょっとご紹介させていただきますと、令和5年度に行われた国の学力調査から、こういったことが分かります。
休みの日や休み時間に図書館や図書室に行かない子どもの割合は、本市で44.6%、中学校で60.2%となっており、中学生になっていくと利用機会が減るという傾向が見て取れます。また、1日に全く本を読まない子どもの割合については、本市は小学校で25.5%、中学校で32.6%でした。これは東京都の平均に比べて小学校では3.5%多い割合となっておりますが、中学生では逆に0.6%少ない割合となっているということが読み取れます。
図書館に行かない子が4割小学生でいると、中学生では6割いると。だから半分前後、小学生では6割は行くが、4割行かなくて、だから半分ぐらいは行かない感じなんですかね。
自分のことを顧みると、小学校も中学校も図書室に行った覚えがなくて、本の目覚めというのは人それぞれ違うんでしょうが、その代わりうちは小さい頃からというか実家が、父がやはり本を読む人だったので、本棚があって、背表紙を見て育ったわけですね。だから今私は趣味が読書だと言っていますが、そういうところがやはり家庭教育も大きなウエートを占めているんだと思います。
その意味で今回、図書室がうまく使われない、このデジタルの世の中で、どう図書室を使っていったらいいんだろうかということを今回提案しているわけですが、いわゆるリアルな本を並べるだけではなくて、さっき今回この問題を取り上げるに当たって非常に乱暴な言い方をしてしまって大変申し訳なかったんですが、施設そのものの老朽化はそれはもうもちろん財政的なことがあるので、それはお金かければきれいだし、それはもう当たり前なんで、清瀬市のような厳しい財政の中では当然老朽化していくのはやむを得ないことです。その前提で各学校の司書さんたちは物すごく苦労をされて、もうきれいに見せる工夫もされています。
私は四中円卓会議をやらせていただいていまして、二月に一遍は清瀬第四中学校の図書室に伺うわけですが、ここはいわゆる本の書庫があって、その間に上がり畳というか、2畳ぐらいの小さな箱があって、そこに畳があって乗れるようになっていて、そこにクッションがあって、そこで自由にくつろげるというふうになっています。
図書室の利用目的も多様化している。それに合わせた施設整備
だから必ずしも本を読みに来るだけじゃなくて、今の使い方としては、子どもたちは不登校の方なんかもそこで過ごしてもらう、勉強、自習してもらうとかということも当然あるわけで、その意味では、本を読むだけじゃなくて、当然PCやタブレットを置いてもいいと思うし、個室的なスペースもあっていいと思うし、要するに気分の切替え、授業と授業の合間のちょっとした気持ちの切替えに使ってもらってもいいと思うし、その意味では、例えばアロマをたくとか、何かちょっとした、今回あれはいつでしたかね、澁谷桂司市長が議長になられた際だったか、4階がいい匂いに包まれたということがありまして、この匂いによる気分の切替えというのはとてもいいことで、そういうような工夫もされたらいいと思うし、それぞれの学校がそれぞれのご判断で、またはそれぞれの限られた予算の中の裁量で工夫をされていて、この間、清瀬中学校にも行かせていただいた。
清瀬中学校もとてもきれいな図書室で、それはもうどこの学校も設立年度は違うので、古い新しいというのは当然あるわけですが、改修年度も違うので、その中で精いっぱい子どもたちにとっていい環境をということで司書さんがご努力いただいているということをよく分かった上で、今後教育委員会として、図書室の在り方をぜひご研究いただきたいと思うんです。
地域の人も利用できる図書館であり交流の場
その意味で今回、盛んにCS、コミュニティスクールが言われていまして、いよいよ私がいる清瀬第四中学校も来年度からコミュニティスクールが始まるようですが、やはりコミュニティ、地域の方々が寄る場としては、職員室の中にコミュニティスクールの委員さんたちの机を並べるわけにはいかないので、やはりどうしても図書室を利用させていただくことになるんだろうと思うし、コミュニティスクールとは別に、地域との一番の接点は図書室になってこようかと思うんです。その意味では、図書室という本がある空間を地域の方々が魅力あって来ていただくということも当然あるでしょう。
そしてまた今回、清瀬第六小学校の件もご教授いただきましたが、本に直接興味がなくても、そこでお茶を飲んだりすることができるよという空間として開放するということも当然いいことでしょう。子どもにとっても、また下界である地域にとっても、うまく接点として融合できる場所、新たな視点、地域という視点も加味した上で、どうか図書室の魅力再発見に、また地域のご意見も聞きながらご研究いただければと思います。よろしくお願いいたします。
Posted by takosuzuki
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