2025年12月20日

■小学校農業科(喜多方市)、Z世代活躍係(郡山市)、視察しました。

喜多方市視察

喜多方市視察

11/13(木)〜14(金)と総務文教常任委員会の視察に、福島県喜多方市と郡山市に伺いました。まず初日、喜多方市です。喜多方市では「小学校農業科」について説明を受けました。

喜多方市の「小学校農業科」は、平成18年に構造改革特区の認定を受け、現在は市内すべての小学校で実施されている独自の教育課程です。その最大の特徴は、単なる「農業体験」に留まらず、国語や算数と同様に「教科」として体系的に学ぶ点にあります。理念として掲げられているのは「農業を教えるのではなく、農業で教える」という姿勢です。基幹産業である農業を通じて、豊かな心、社会性、主体性を育み、未来を切り拓く力を備えた「良き社会人」の育成を目的としています。

喜多方市視察

■ 教育内容とカリキュラム
小学3年生から6年生までを対象に、年間約35時間を「総合的な学習の時間」から充当しています。
・系統的な学び:3年次は「土に親しむ」、4年次は「農業を楽しむ」、5年次は「健康との関わり」、6年次は「自然との共生」と、学年に応じたテーマを設定しています。
・実践的な活動:米作りでは種まきから育苗、田植え、手作業での草取り、稲刈り、天日干し、脱穀まで、一連のサイクルをすべて体験します。また、市場から消えつつある「会津伝統野菜」の栽培・種採りにも注力し、地域の文化継承を学んでいます。

■ 地域が支える支援体制
本活動の継続を支えているのは、「農業科支援員」と呼ばれる地域住民やプロの農家たちです。ボランティアの力:市内全体で約100名の支援員が登録されており、教員の専門知識不足を補い、生きた技術を伝えています。

地域コミュニティの活性:支援員との交流は、核家族化が進む中で多世代交流の貴重な場となっています。高齢化という課題はあるものの、「地域で子どもを育てる」という風土が、20年近い継続を可能にしています。

■ 成果と今後の展望(農業科 2.0)
児童の作文からは、食への感謝、自己肯定感の向上、地域への愛着といった顕著な成長が見て取れます。

現在は、設立20周年に向けた発展段階として、キャリア教育や起業家教育の視点を取り入れた「農業科 2.0」への進化を目指しています。具体的には、収穫した作物のブランディング、6次産業化(加工・販売)、プロモーション活動などを通じ、経済感覚やイノベーションを創出する資質を育む探究学習へと展開しています。

喜多方市視察

喜多方市の取り組みは、地域資源である農業を教育の軸に据えることで、子どもの非認知能力を高めると同時に、地域への誇り(シビックプライド)を醸成する優れたモデルです。清瀬市においても、都市農業の特性を活かした食育や地域連携の在り方を検討する上で、極めて示唆に富む事例であると言えます。

喜多方市議会議場

喜多方市議会議場

喜多方市議会議場です。定数22名の議会ですが、議員個々の議席となっていてとてもシンプルで、落ち着く議場です。

会津田舎家

会津田舎家お約束のご当地ラーメンです。

やはり喜多方といえば、“喜多方ラーメン”ですね。市役所のそばに行列のできる店舗があったのですが、あいにくこの日は定休日で、やはり名店“会津田舎家”さんにお邪魔しました。

皆さまご承知でしょうが私は初めての実食でした。麺がやや太くちぢれ麺なのですね。私は細麺が好きなのですが、あっさりスープでとても美味しかったです。

■会津田舎家
■〒966-0821 福島県喜多方市梅竹7276−2
■定休日はないようですね。基本的には居酒屋さんです。

会津若松駅

その晩は会津若松まで戻り、駅前のビジネスホテルに宿泊しました。会津若松も初めての地ですね。白虎隊像のまえで。

郡山市視察

翌日は朝出発して郡山へ。ここでは「Z世代活躍係」の取り組みについてを学びました。この視察は、若者の感性を市政に反映させ、持続可能な街づくりを推進する郡山市の先進的な組織戦略を学ぶことを目的としています。

■ 「Z世代活躍係」設置の背景と目的
郡山市は2023年4月、市民部ダイバーシティ推進課内に同係を設置しました。対象となるZ世代(1996年〜2010年生まれ)は、デジタルネイティブであり、社会貢献意識が高い一方で、経験や人脈が不足している傾向があります。

同係のミッションは、「若者の活力」を街づくりに反映させるための橋渡し(ハブ)機能だ。行政が持つネットワークと、若者の新しい感性、そして地域団体が持つ経験を掛け合わせることで、若者が主役となって活躍できる環境整備を目指しています。

■ 主な取り組みの実績
活動は「庁内(職員)」と「庁外(市民)」の両輪で展開されています。
・庁内向け:29歳以下の職員による「庁内Z世代コミュニティ会議」を運営。若手職員が選挙の来場スタンプやPR動画を考案するなど、実務に直結する提案を行っています。これにより「自分の意見が形になる」実感を醸成し、人材育成と組織風土の改革を同時に進めています。
・庁外向け:Z世代の団体と地域団体を繋ぐマッチング事業を展開。高校生団体と地元の祭り、あるいは大学生とスポーツイベントを繋ぐなど、活動の場を提供しています。
・アプローチの工夫: 活動意欲調査において、従来の広報ではなく インフルエンサーやSNS広告 を活用した結果、短期間で1000件規模の回答を得ることに成功しました。これはデジタルネイティブ世代への有効な訴求手法として特筆すべき成果です。

郡山市視察

■ 視察を通じた考察と課題
質疑応答では、若者の早期離職や、特定世代を優先することへの公平性についても議論が及びました。郡山市は、「将来のコア世代のニーズを掴むことは、街の持続可能性を確保するために不可欠」と定義しています。また、清瀬市側からは筆記試験を廃止したプレゼン型採用試験の事例が共有され、両市ともに「人材確保」と「若手の活躍」が共通の重要課題であることが再確認されました。

郡山市の取り組みは、単なる若者支援に留まらず、行政組織全体の活性化と、将来を見据えた投資としての側面が強いと感じました。「Z世代活躍係」という明確な名称を掲げることで、市役所の敷居を下げ、若者が市政に参画しやすい空気感を作り上げている点は、今後の清瀬市における街づくりの指針として示唆に富むものでした。

郡山市議会議場

郡山市議会議場にて。両日ともに実りのある視察となりました。特に喜多方市の「農業科」は今回の第四回12月議会にて一般質問でも取り上げさせて頂きました。

Posted by takosuzuki │ ■視察