2026年06月16日

★総括質問/新しい清瀬の教育/令和8年度予算特別委員会

新しい清瀬の教育

清瀬の教育ブランド化への展望
私はさきの代表質問において、ICT教育の3種の神器がそろう、このときこそ清瀬の教育をブランド化してはと申し上げました。その真意は、それによって一人一人の生徒・児童に、より個別最適な学習環境が提供でき、それによって清瀬市の子どもたちの可能性を開けていけるのだということをお訴えしたかったのです。

教育を取り巻く諸課題とICT活用の可能性
いつの時代もそうですが、今この時代は殊さらに教育の在り方が問われています。それは家庭環境によって広がる教育格差、不登校児童の激化、また教員への過重な課題などなどありますが、私は今一番気になるのはICT教育をどうこの現場において適正化していけるかということであり、これによって様々な問題の解決の糸口があるのではないかと思っています。

今AIは日々進化をし続けています。社会もそれをいかに適応させていけるかが、どの業界にあっても最大の課題です。もちろん行政にあっても同じです。

当然ながら、その活用を教育界でも迫られています。ChatGPTやSiriなど、それぞれ個別の適応性を持ち、あたかも会話しているかのようにやり取りができるのは皆様ご承知のとおりであります。こうした高度のAI技術を教育界の問題改善に利用できないか、確認してみたいのです。

深刻化する教育現場の現状分析
そこでまず、今の教育現場で起こっている深刻な問題点について申し上げます。

現在、小学校、中学校における不登校児童生徒数は激増しており、2024年度の全国データで35万3,970人、前年度から約7,500人増となっています。しかし、これは氷山の一角にすぎません。学校に行きたくない、行く必要を感じない。そうした児童・生徒は、潜在的にはこの10倍から20倍はいるのではないかと推察する専門家もいます。

また、教室内では学力の二極化が深刻です。都市部の中学校などでは、半数が塾通いをしており、授業内容は既に理解している吹きこぼれの生徒と、授業についていけず落ちこぼれてしまった生徒とが激しく分かれるM字型の学力分布になっています。

さらに問題なのが、教員への過重な負担です。

全国の事例ですが、例えば中学校の社会科の教員は、本来の教科指導に加えて、国際理解教育や情報教育、食育、心の教育、さらには尖閣諸島や北方領土問題まで教えなければなりません。また、自転車の窃盗事件で警察に補導された生徒の身元引受けに駆けつけるなど、親に連絡がつかない場合の生活指導まで担わされています。小学校でも英語やプログラミングの指導が下りてきました。
このように、多様な仕事を強いられれば、教員は決してスーパーマンではありませんので、真面目で一生懸命な教員ほど精神的なバランスを崩し、精神疾患などによる休職や離職が増えてしまうのは当然のことです。

そこで伺います。清瀬市として、これらの複雑化した問題点、生徒学力のM字型偏在、教員の過重な課題や残業実態など、事例としてあるのでしょうか。また、不登校児童生徒の数値的な現状、そして、清瀬市の学校教育での問題点など、公表できる範囲でお聞かせください。

ICTを突破口とした教育のあり方
私はこうした現状の解決策の一つ、または突破口として今回のICT教育があると思っております。ICT教育を適正化していくためには、義務教育の小学校6年間、中学校3年間の中で、それをどう生かしていくのか改めて考えていくことが大事だと思っています。

私は、例えば小学校においては、徹底した基礎学力の定着を図るため、ある意味詰め込み教育、正解を求めていく学習、それは学習ソフトのドリル学習によるところが大きいと思います。そして中学校においては、その基礎学習の延長とともに、自ら問い、正解つまり最適解をグループの中でつくっていく教育も行っていくべきです。それは学習支援ソフトによる共有ボードと電子黒板を使った協働教育に当たると思います。

総じて、現在の学校教育の課題と、その解決へ清瀬市のICT教育がその糸口になるかについてご見解をお伺いいたします。
【答弁/大島伸二教育部参事】
まず、教員の働き方改革に関する課題についてです。

本市では、清瀬市立学校の管理運営に関する規則に、教員の時間外在校等時間の上限を一月45時間までとする方針を示して、業務量の適切な管理に取り組んできました。

令和6年度の状況としましては、45時間を超える教員の割合が小学校で約8%、中学校で約25%となっており、特に中学校の4分の1の教員が45時間を超えている状況にあることは大きな課題と捉えています。そのため、実効的な対策を図ることによって、教育の質の向上のために必要な時間的余裕を創出することが必要になると考えております。

次に、本市の不登校の現状ですが、小学校の出現率は東京都や国と同様、増加傾向となっておりますが、中学校の出現率は、令和5年度から令和6年度にかけて減少し、東京都や国の平均を下回っております。これは校内別室指導や不登校対応巡回教員の活用を進めてきたことが影響していると捉えております。ただし、不登校のきっかけや要因は様々であることから、今後も引き続き取組の充実を図りながら、動向を注視していく必要があると考えています。

次に、学力についてです。

全国学力学習状況調査の結果からは、本市では小中学校共におおむね山型の分布となっており、学力の二極化は見られていないのが現状です。ただ、年度ごとに多少の違いはあるものの、中学校では国の平均正答率と同等か上回っているが、小学校では下回るという傾向が見られており、この点は本市の課題と捉えています。

以上、教員の働き方や不登校、学力に関する課題についてご説明をさせていただきましたが、この課題に対する解決の重要な方策となるのは、議員ご推察のとおり、ICTの活用になると考えております。

例えば、教員の働き方改革については、これまでも校務支援ソフトの導入やオンライン研修の推進などを進めてきたところですが、その運用面についてはまだまだ工夫できることが多数あると考えています。また、不登校に関しても、タブレットを活用した学習課題の提供やオンライン授業の実施など、各学校で様々な取組が進められておりますが、次年度以降、学習支援アプリやドリルアプリが小中全校導入となれば、さらに多様な支援方法が選択できるようになると考えています。

加えてこのアプリの導入は、学力向上にも資するものです。具体的には、ドリルアプリを活用して、個別最適な学びを進め、基礎学力の定着を図るとともに、学習支援アプリを活用して、協働的な学びを進め、深い学びを実現していくことを想定しています。

なお、個別最適な学びと協働的な学びは、小学校1年から中学校3年まで全ての学級で実践していく
授業改善の視点となりますが、議員からお話があったように、その比重は発達の段階が上がるにつれて変化していくものと考えています。

いずれにしましても、2ndGIGAの端末を導入する次年度がICT活用推進の新たな起点となるよう、その考えを学校の管理職等とも共有しながら、必要な指導、支援に努めていきたいと考えております。
清瀬市の教育現場の実態と向き合う
清瀬市の現状について率直なデータをお示しいただきました、ありがとうございました。特に中学校の教員の4分の1が残業上限を上回っているという実態、小学校の学力が都平均を下回っているという実態はしっかりと向き合わねばなりません。

一方で、私が社会全体の問題として懸念していた学力の二極化、いわゆるM字型については、本市では先生方のご尽力により、おおむね山型を維持しているとのことを少し安心しましたし、場合によっては清瀬市は周回遅れで、今後このような傾向が出てくるのかも分かりません。

また、中学校における不登校の減少傾向は別室指導等のきめ細やかな対応のすばらしい成果であり高く評価をいたします。これらの課題に対し、2ndGIGAを起点としてAIドリル等を用いた個別最適な学びと協働的な学びを発達段階に応じて進めていくという方向性に完全に同意をいたします。

大量生産型授業からオーダーメード型教育への転換
さて、ICT教育は先述した、さきの問題を解決していく糸口、突破口になると私は何度も申し上げます。その前に、このICT機器の導入によって解決出来得ることに、大量生産型の一斉授業から、オーダーメード型の個別最適授業への転換ということがあります。

振り返れば日本の高度成長期においては、解説書を正しく読むブルーカラーや、早く正確に事務処理をこなすホワイトカラーを大量生産するために、あたかも工場のような照明設備の教室で全員が黒板を向いて学ぶ一斉授業が最も効率的でした。しかし日本は既に成熟社会に入り、社会も子どもの特性も家庭環境も多様化、複雑化しています。真ん中の層に向けた従来の漠然とした一斉授業はもはや意味を成さず、機能不全に陥っているのではないかと思います。

先生がどう思いますかと漠然と問いかけても、一部の賢い子だけの独壇場となり、多くの子どもが誰かが答えるだろうと思考を停止し、授業の傍観者になってしまうという一斉授業による取り残しの弊害も起きています。

ICT教育がもたらす学びの保障と教員の負担軽減
そして、この個別最適な授業への転換と教員の負担軽減をも同時に実現するのがICT教育です。例えば、増加する不登校児童生徒に対して、ICTを使えば、学校と家庭をつなぐリモート授業や学習支援ソフトによる個別最適な自宅学習が可能となることは、先ほどご答弁いただいたとおりですし、学びの機会を保障し、教育格差を埋めることができます。

また、今回中学校全普通教室に配備される電子黒板は、単なる投影機ではなくて、双方向の書き込みが可能な大きなiPadのようなものです。理科の実験動画、ネーティブな英語発音、さきの斉藤あき子議員からのご提案もありました。ネット上の優れた外部映像教材を流用して授業を行えば、教員の得意不得意にかかわらず、一定水準以上の質の高い授業が提供でき、いわゆる教員ガチャを防ぐとともに、授業を一から準備する教員の負担を劇的に減らすことができます。

ICTの現場普及に向けたアプローチと質問
一方で、私にはICT教育は使いこなせないと不安に感じる先生もいるはずです。しかし、ICTを使いこなすための土台は機器の操作スキルそのものよりも、日々の学級経営と授業づくりにあると思います。正論を振りかざして無理に広げるのではなくて、得意な先生の実践からケーススタディーとして教え合い、少しずつ学校全体に普及させていくことができれば最善です。

そこで伺います。

今回の端末更新を機に、持ち帰りの奨励や家庭学習への接続など、端末の運用ルールを見直すべきと考えますが、教育委員会としてこれは許されるものでしょうか。

また、教室のレイアウト変更についても提案いたします。

さきの代表質問でも一部申し上げた、電子黒板の導入によって従来の黒板の前に教員が立って、机が並び左に窓、右が廊下といったステレオタイプの教室環境から脱却するチャンスです。電子黒板を柔軟に配置するような工夫や現場の教員の創意工夫はどの程度まで許容されるのでしょうか。先生方が伸び伸びと新しい学びをつくっていくためのご見解をお伺いいたします。
【答弁/宮野将史教育指導課教育支援担当課長】
タブレット端末の持ち帰り等の運用について
まず、タブレット端末の持ち帰り等の運用についてです。

タブレット端末の持ち帰り等の運用方法は、各学校が実態に応じて決めております。基本的に毎日持ち帰るとしている学校もあれば、教員の指示に基づいて持ち帰りをしている学校、児童・生徒が自分で判断をして持ち帰りをしている学校など様々です。

このことについては、児童・生徒のネットモラル等の習熟の程度を確認することが必要であることや、発達の段階等に応じて、登下校の持ち物の量や重さへの配慮が求められることなどから、各学校での実態を踏まえた判断を尊重しております。

とはいえ、清瀬市教育委員会としては、タブレット端末の積極的、効果的な活用を以前から各学校に求めているところで、特に長期休業中には、極力持ち帰りをさせるよう指導も行っております。また、頻回に持ち帰りをしている学校の好事例を他校に紹介しながら、活用の幅をさらに広げていけるよう進めているところです。

2ndGIGAの端末導入に当たっても同様の対応を考えておりますが、新たなアプリや機能が加わることになりますので、その点も踏まえ、より効果的な活用を視点に、運用方法を再検討するよう、各学校に指導してまいります。

柔軟な教室レイアウトと電子黒板の活用
次に、教室のレイアウトについてですが、議員からのご提案、大変重要であると認識しております。中学校普通教室への電子黒板の導入に当たっては、黒板全面への固定配置にこだわらず、教室の形状や光の入り方、また、子どもたちの動線を考慮し、廊下側前方へ配置するなど、最も学習効果が高いレイアウトを各学校の実情に合わせて柔軟に検討していくことが重要になると考えております。

また、電子黒板を活用して、優れた映像教材を授業に活用することは、教員の負担軽減だけでなく、視覚的で分かりやすい授業の展開につながり、教育の均質化にも寄与するものです。現在、様々な教科等で活用できる動画教材がインターネット上に多数ありますので、大いに活用を図るべきと考えております。

ただし、特に公的な機関が作成したものでない教材を活用する場合には、学習指導要領に則した内容となっているのか、不適切な言動や画像が含まれていないかなど、事前に確認する必要があり、そのことについて、管理職とも共有しておくことが大切になると考えております。

ICT活用に向けた教員のスキル向上
加えて、ICT活用を進めるには、教員のスキル向上も欠かせません。先行して研究を進めている研究指定校の優れた実践事例を校長会や情報教育推進委員会等を通じて共有したり、各学校において、得意な教員が講師となるミニ研修やOJTを推進することで、組織全体でICT活用能力を高め、どの学級でも質の高い授業が展開できるよう努めてまいります。
ご答弁大変前向きで、現場の背中を押すすばらしいご答弁ありがとうございました。

ICTを活用した学びの運用と期待
タブレットの持ち帰りについては、新たなアプリの導入を踏まえて、より効果的な活用に向けて各学校に運用方法の再検討をご指導いただけるとのこと、ぜひ持ち帰るようにご推奨いただけるとのこと、大いに期待しております。

教室のレイアウトの変更や電子黒板の外部動画の流用など、現場の教員の創意工夫を大いに推奨するという力強いお言葉は大変ありがたいです。

小学校6年間、中学校3年間でずっと同じ環境で勉強していくというのは、やはり刺激を求める今の子どもたちには退屈なことだと思いますので、場合によっては教室のレイアウトも、子どもたちの意見、児童・生徒の意見を聞きながら変えてもいいのかもしれません。

また、機器操作の得手不得手による教員ガチャを防ぐための得意な先生からのミニ研修やOJTによる組織的なスキル底上げという助け合いのサポート体制も非常に現実的ですばらしい方向性だと感じます。

1点だけ要望として申し上げますが、動画教材の活用に当たり、不適切な内容がないかの事前確認や管理職との共有が必要とのことですが、無理もないこととは思いますが、その手続が煩雑になり、かえって先生方の負担が増えたり、新しい取組への萎縮につながったりしないように、風通しのよい柔軟な運用をお願いしておきます。これで、ハードとソフトの運用面が大変柔軟に行われることが確認できました、ありがとうございました。

教育の展望:デジタルとアナログのハイブリッド
最後に、今後の教育の展望について総括的にお伺いします。

今後のICT教育の流れとして、デジタル教科書への移行は不可避であります。一方で、デジタル教科書の先進国であるスウェーデンがデジタル教科書を取りやめ、紙の教科書に回帰したというニュースが話題になりました。しかしこれは、日経BPの教育とICTオンラインという専門サイトによれば、これはデジタルは学力を低下させるから紙に戻したという単純な話ではないと論じています。もともと質が保障された教科書が不足していたこと、または長過ぎるスクリーンタイム、いわゆるタブレットを見ている時間を是正し、読書時間を増やすことが本質的な目的であり、スウェーデンもデジタルを排除したわけではないという論調です。実際に複雑で長い文章の読解などにおいては、紙媒体が有利であるという研究結果もあり、デジタルか紙かという二項対立ではなくて、こうした世界の動向やエビデンスをしっかり検証した上で、ハイブリッドに進めていくべきです。

ICT教育への移行は不可避だからこそ、ICTに偏重するのではなく、アナログな体験教育とのバランスが極めて重要になります。

AI時代の教育とコミュニケーション力の育成
今年の大学入学共通テストにおいて、AI、ChatGPTが15科目中9科目で満点を取るなど、知識を問う勉強においてAIの能力は既に人間を超えつつあります。

ある研究では、個人の能力に合わせた個別指導は、一斉授業に比べ偏差値を20も上げるほどの劇的な学力向上に効果があることが分かっており、AIによってそれが実質無料で可能になりつつある。さらに視点を広げれば、児童・生徒の年間生活時間である約5,800時間のうち、子どもが生活する時間5,800時間なんですね。このうち学校での授業時間は年間800時間弱と、僅か13%にすぎない。その僅か13%で、学力向上や人格形成までの全てを学校が担うことはできません。学校が全てを抱え込み全人格的な教育の責任を負おうとするから無理が生じるのです。

これからの時代は、教員はICTで教務の負担を減らし、人間同士が関わることでしか培えないコミュニケーション力の育成など、本来の教育の原点に回帰すべきです。その意味で、アナログな体験型教育や課外授業、非認知能力を育む取組がますます大事になります。

縦横斜めの血の通った交流の展開
本市が本年度よりスタートした生徒国内派遣事業は、生徒が自ら学びたいテーマを設定し、大自然の中で体験的に学習するすばらしい事業であり、自ら考え行動する力を育むとして大変高く評価をしています。

私は非認知能力を育む清瀬の教育において、いかに他者との交流、つまり人と人とが交ざり合う機会を増やせるかが鍵だと思っています。市内での他校の子どもたちとの交流という横軸、小中連携による異年齢交流という縦軸、そして地域の方々との関わりという斜め軸、こうした縦横斜めの血の通った交流を具体的にどのように展開していくかが清瀬のICT教育を実のあるものにしていくための最重要なことだと思っています。

最後に、これまでの総括として教育長に見解をお伺いいたします。教育長からお伺いいたします。
【答弁/坂田篤教育長】
教育の原点回帰と多様な関係性の大切さ
教育は今こそ原点回帰すべきであると。また、ICT偏重ではなくて、アナログの体験とのバランスを重視すべきである。委員のこのお言葉をしかと受け止め、私も一般質問において、不易と流行のご答弁を申し上げましたが、義務教育を所管する立場の者として、心から共感を申し上げます。

また、縦横斜めの多様な関係性の中での出会いが子どもたちの成長を担うというこのお言葉にも深く同意を申し上げたいと思います。

縦横斜めの関係性につきましては、委員がおっしゃるとおり、人との関わりが非常に重要でございますが、そこに加えて物、出来事との出会いも非常に子どもにとって成長のエンジンになるものでございます。

例えば、オリンピアンのような感動的な人との出会いは子どもに生きる目標を与えます。例えば、大自然のような感性を震わすものとの出会いは、子どもの想像力や思考力のスイッチを入れます。例えば、東日本大震災のような記憶に残る出来事との出会いは、子どもの価値観を揺さぶって、いかに生きるかを考えさせる材料になります。

これら縦横斜め、そして、人、物、出来事との出会いは、偶然もあれば、意図的、計画的に設定する場もございます。教育は後者の意図的、計画的に設定された多様な出会いを通して、子どもを賢く豊かに、そして、たくましく育てる営みであると言えると考えます。これらの出会いは、いかに驚きや感動、もしくは楽しさや喜び、わくわく感がそこに加わるかによって、教育の成否が決まるのではないかと私は思っております。

教科指導における学びの出会いのプロデュース
これは教科指導も同様でございます。

私の専門の音楽でお話を申し上げますと、お琴、琴の学習で子どもたちにとっては多分お正月のBGM程度にしか認識がないお琴の授業が学習指導要領で示されておりますが、そこに、プロの演奏家という斜めの関係の出会いを教員がプロデュースをする。そのことによって超絶技巧のパフォーマンスを子どもが目にして、驚きと感動を感じる子どもたちは、学習への動機を高めていきます。

また、例えば数学の方程式を学ぶ際においても、どのような仕組みで方程式が成立をしているのかということを知るとか、また、方程式が日常生活のどこにどのように活用されているのかに気づくとか、また、問題が解けた感動を味わうとか、教師はこのような学びとの出会いをプロデュースすることによって、子どもはより難問に挑戦していくようになります。

初等教育におけるリアルな体験の不可欠性
ICTはバーチャル空間において、このような縦横斜め、人、物、出来事との出会いを容易にさせます。しかし、殊義務教育、初等教育段階、中でも小学校低学年児等学びの入り口にある子どもたちにとっては、私は生身の人間との出会いや関わり、本物の自然と関わらせる体験、また、様々な感覚を駆使しながら、感じ考えることができるような出来事との体験、この出会いが不可欠であると考えています。

端末の画面をタッチペンでなぞるんではなくて、紙と鉛筆を使って机に向かって正しい姿勢で自分の自らの手を動かして、自らの目で確認をしながら文字を書く。こういう学習活動。また、土の匂いを感じ太陽の温かさを全身で受け止めながら、大地を踏みしめながら春を探していくような学習活動。
また、中学校段階においても、ご評価いただいたような国内派遣事業のように、子どもたちが汗を流しながら課題を見つけて、自らで話し合いながらその解決策を探って、自らの計画を基に、自らの足で歩いて、全身でその風土を感じながら、学びを確認していくという学習活動。義務教育段階では、そんな学びを欠かせてはいけないと私は思っています。

アナログとデジタルのベストマッチを目指して
デジタル教科書をはじめとするICTは、確実に教育を変えていくツールになります。しかし、それだけに頼ってしまうと、人間として大切なものをどこかに落としていってしまうような気がしてなりません。特に人生の入り口に立つ子どもたちにとってはなおさらで、リアルな人、物、そして出来事、それも縦横斜めの出会い、それによって子どもたちにリアルな体験を与えてあげる。これが必要であろうと考えております。

そして、発達が上がれば上がるほど、バーチャルな出会いによって、多様な人、物、出来事との出会い、縦横斜めとの出会い、それによって感動や驚きや楽しさ、面白さ、追求心を得ていく。学年が上がれば上がるほど、私はバーチャルの世界を増やしていくべきであろうと思っています。このようなアナログとデジタルとのベストマッチした教育を、清瀬では進めていきたいと思っております。

今後の教育課題に向けた対話の継続
最後になりますが、今回のご質問で、ICTを窓口に不登校問題、また学校の構造的な課題、また教員の働き方、教室レイアウト、タブレット端末の持ち帰りの問題、また、義務教育費の教育内容や方法の問題、ひいては学校教育そのものの位置づけの問題、こういう問題をご提言いただけました。私ども教育委員と、しっかりと議論をするとともに、校長会も一緒になって、今問題提起いただいた課題を話し合ってまいりたいと思っております。ありがとうございました。


Posted by takosuzuki │ ■議会報告/City Concil Report | 学校・教育・子育て